「協力」の生命全史―進化と淘汰がもたらした集団の力学

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「協力」の生命全史―進化と淘汰がもたらした集団の力学

  • ISBN:9784492224113

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内容説明

子どもの夜泣き、核家族の不幸、汚職や賄賂、陰謀論……
すべては進化のせいだ!

斯界の権威が大絶賛!

「洞察に満ちた科学的理論と興味深い逸話の詰まった快作」
――リチャード・ドーキンス(進化生物学者、『利己的な遺伝子』著者)

「協力がいかに大切かについて書かれた、素晴らしい本」
――アリス・ロバーツ(人類学者、『人類20万年 遙かなる旅路』著者)

「私たち人類についての考え方を変える」
――ルイス・ダートネル(宇宙生物学者、『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』著者)

「世界をよりよく理解する方法だけでなく、世界をどう変えるかについても示してみせる」
――マシュー・コブ(動物学者)

「人間がそうであるべきほど協力的でないのはなぜかを知りたければ、答えは本書の中にある」
――ロビン・ダンバー(進化生物学者、『友達の数は何人?』著者)

■本書で得られる知見
・多細胞生物が誕生したのは「協力」が利益をもたらすためである
・ミツバチやアリのコロニーは「超個体」のように振る舞う
・母親と胎児は栄養分をめぐって争う
・姑が嫁の子育てを手伝うのにはわけがある
・詐欺やたかり、汚職や賄賂、身内びいきも協力の産物である
・パラノイア(妄想症)や陰謀論の背後にある進化論的な理由
・平等主義だった人類の社会に独裁制が誕生したのはなぜか?
・集団の人数が増えると反乱は起きにくくなる

目次

はじめに
第1部 「自己」と「他者」ができるまで
第1章 協力を推し進めるもの
第2章 個体の出現
第3章 体のなかの裏切り者
第2部 家族のかたち
第4章 育児をするのは父親か母親か
第5章 働き者の親と怠け者の親
第6章 人類の家族のあり方
第7章 助け合い、教え合う動物たち
第8章 長生きの理由
第9章 家族内の争い
第3部 利他主義の謎
第10章 協力の社会的ジレンマ
第11章 罪と協力
第12章 見栄の張り合い
第13章 評判をめぐる綱渡り
第4部 協力に依存するサル
第14章 他人と比較することへの執着
第15章 連携と反乱
第16章 パラノイアと陰謀論
第17章 平等主義と独裁制
第18章 協力がもたらす代償
謝辞
参考文献と原注
用語一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

31
自分の遺伝子を後世に残すために競合しつつも、他の生物より利他性をもって集団で進化してきた人類の協力のあり方を中心に論じられています。協力する一方で見栄を張ったり他人と比較したり対立したりもする人類に関する考察は興味深かったです。一方で、地球規模の課題に集団で協力して対処できるものか、様々な対立がある中で考えさせられもしました。2023/09/03

りょうみや

28
分子、細胞、個体、家族、集団と様々なレベルで協力、共進化を語っている。昆虫、がん細胞、国家など幅広い。協力した方が長生きできるからということになるけど、それだと近視眼的になりがちでそれより外を含めた全体として悪影響があるというのがほぼ共通する。例えば戦争や環境破壊など。専門用語が極力少ないようで幅広い進化のよい入門書。ぱっと読み。2023/08/02

Y田

10
協力、又それと表裏一体の争いが自然の中でどう淘汰、選択されてきたか。物事を進化からの視点で見ると理解できる事が多いのがよく分かる。細胞、遺伝子レベルから個体、集団レベルまで、それぞれが利益を最大化(損失を最小化)するために「大きな綱引き」をしている、という世界の一つの形が見えてくるように思う。◆陰謀論を信じる傾向がパラノイアの一つの形と説明される。つまりこういう性質が過酷な環境(何万年単位)を生き延びる上で選択されたと。非常に興味深い。「今」だけを見ていては分からない事があるなと感じる。2023/12/05

naohumi

8
ヒトは協力する生き物であるが、それは淘汰されない為に進化した結果なのかも知れない。ヒトだけでなく、他の生物も協力し合う事例はありつつも、ヒト独自の特性は興味深い。協力し合う事が結果的に今の世の中を作っているのだと思う。ただ、その反面、コロナや温暖化のような課題も山積。これもまたヒトが協力し合ってきた一つの結果かも知れない。どちらにせよ、これからも進化でプログラムされてきた「協力」によって、社会を世界を守り共に生きる事が何より必要。そんな事を考えた。2023/08/20

リットン

7
人間にとって、「協力」は当然のことであると同時に、とても難しいことであるという二律背反なものなのかもしれないなと感じた。身の回りの人とは当たり前に協力しつつも、自分と遠い人には目をくれず、その傾向が緊急時に強くなるのは、誰しもそうだよなと感じる。本書では、ヒト以外の協力行動についても多く書かれているが、よくこんな魚や鳥の観察や実験をやってられるな、、と思う。。読んでいると、すごい!魚でも協力と罰があるのか!と思った一方、ほんまかいな、確証バイアス込みでそう見えたんじゃないんかとも正直思ってしまったが。。2023/10/22

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