内容説明
西暦紀元前50年頃から日本の新羅遠征まで、約800年以上に及ぶ朝鮮半島やシナ大陸との交渉の歴史を通して、古代日本はその「危機の時代」をいかに生き抜いたか。日本の宿命を見据えた、村松剛氏の遺作評論集。
感想・レビュー
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hurosinki
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大陸との外交関係を中心にした日本古代政治史。序で中華と日本の文明の違いを死生観や家族制度を例に挙げて指摘し、日本の対外政策を異質かつ強大な脅威との対峙として描く。こう見れば日本近現代史とパラレルで、大陸風の官制を定め、仏法を進んで取り入れ「漢化」しつつ隋の脅威に対抗した聖徳太子を明治大帝になぞらえて高く評価し、白村江の戦いも、近現代の日本でしばしば見られる現地情勢の関わる情報の不足に起因する政戦略の失敗とみなし「この島国の宿痾」であると、「内政の人」鎌足に非常に低い評価を与える。2020/07/20




