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内容説明
平安時代の代表的な日記文学である『紫式部日記』『和泉式部日記』を、大正の歌人・詩人である与謝野晶子が華麗な文体で大胆に現代語訳した名作、初の文庫化! 平安貴族と女房たちの日々の暮らしや、宮廷の行事、人間関係と恋愛事情が描かれ、当時の風景が生き生きとよみがえる。二つの日記作品に加え、与謝野による論考「紫式部考」を併録。田村隆氏(古典文学研究)による「解説」で、与謝野訳の魅力と味わい方を紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
17
与謝野晶子の文章で紫式部日記と和泉式部日記の両方が収録されているという何とも贅沢な一冊。逐語訳ではなく意訳されているとのことだが、とても読みやすい上に品位も感じられて、与謝野晶子の凄みに圧倒される気分。冒頭にある与謝野晶子による紫式部の論考は現代の研究者から見た場合にどのくらい受け入れられるものなのかは分からないが、素人目線で読む分には知的好奇心が刺激される内容。2024/02/08
Ryoko
2
面白かった。与謝野晶子の訳もわかりやすい。紫式部の日記では千年以上も昔の宮中での人々の様子が目に浮かぶよう。よろしくない女たちの化粧や立ち振る舞い、宮様の何気ない言葉が書かれていて時を超えてグッと身近に感じた。紫式部の日記は男性関係はほとんど出てこないが和泉式部の日記は恋愛のことしか出てこないという真逆さが印象的。読んでいて面白いのは和泉式部日記だがその時代の宮中での日常、文化を知ることができるのは紫式部日記。紫式部日記の方が「へぇ~」と言いながら興味津々で読めた。2023/08/18
石橋
0
大河ドラマに刺激を受けて読む。与謝野晶子の意訳ゆえに強く感じるのかもしれないが、なんで紫式部はそんなに悲観的で他者評価に過敏なんだろうか。身分も見かけも大したことないのに賢いというだけで取り立てられた引け目とか…? ドラマ経由だと「道長(殿様)との秘めた逢瀬ゆえ??」なんて想像してしまう。2024/04/12