内容説明
大作曲家の「駄作」からプロレスラーのテーマ音楽、さらには「モーツァルト効果」まで、さまざまな対象を歴史・社会学・心理学など多彩な切り口で考察する。刺激的な入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
53
著者の「現代音楽史」(中公新書)がとても印象的だったので本書も読んでみた。結論から言うと本書もとても面白い。ただし「現代音楽史」が(題名からして当たり前だが)「現代音楽」という一つのテーマを時間軸に沿って論じた一冊だったのに対し、本書は「音楽学」という観点から様々なテーマについて自在に論じた内容になっている。ジャンルを軽々と超えていく著者のフットワークの良さと博識、そしてこんな「学」の立て方があるのか(多少牽強付会に感じるところはあるものの)、こんな面白い史実があったのかと章ごとに感心するばかりだった。2023/02/02
しゅー
8
★★著者いわく「だから、およそ巷の『○×学』という学問はたいてい、その○×の前に音楽、という一語を挿入するだけで、音楽の一分野として成立してしまう」その言葉どおり、本書はワーグナーと米国万博の関わりから生まれた「駄作」について(音楽史学)に始まり、われわれもよく耳にする「モーツァルト効果」をめぐる熾烈な(?)論争史(音楽心理学)から、プロレスの入場テーマについて(音楽民族学)まで、音楽学の多彩な試みを見せてくれる。作曲家アイスラーといわゆる「赤狩り」の関係を論じた音楽政治学はもう少し他の例も読んでみたい。2023/04/09
汲平
6
ハンス・アイスラー作品が好きなので第7章は特に興味深かった。ワーグナーのマイナー作品、モーツァルトによる英才教育の誤解もとても楽しめた。図形楽譜の読み方は結局判らなかったけど・・・。音楽学の懐の深さに感銘を受けた。2023/11/10
きゅうけつき先生
5
様々な「音楽学」が分かりやすく解説されている良書。歴史や政治,心理学と音楽との関わりが,具体的な曲や作曲家の事例に基づいて紹介されている。モーツァルト,ワーグナーから現代音楽まで,本書を読んだ後では音楽の聴き方がまた少し変わってくるであろう。2025/03/16
伊達者
2
図書館本。カルチャーセンターで東北学院大学の教授が紹介してくれたので読んでみた。音楽学といっても幅が広いのねと感心する。プロレス入場曲の章が面白かった。最終章も権力とかアメリカの怖さを思いしらされる。ポリーニが死んだが彼も若いころはイタリア共産党の支持者として有名だった。作曲家に比べて演奏家は政治と関わるといっても演奏では影響は少ないか。2024/03/30
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