ハーパーコリンズ・ジャパン<br> 陽炎の市

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ハーパーコリンズ・ジャパン
陽炎の市

  • ISBN:9784596774767

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内容説明

逃避行の果て、男たちの手はふたたび血に塗れる――
犯罪小説の名手が放つ、ギャング・ノワールの極致。
「ウィンズロウ作品の歴代ベスト級」――スティーヴン・キング

犯罪小説の名手が放つ、ギャング・ノワール3部作、第2弾!

1988年12月。
アメリカ東海岸を血に染めた抗争に敗れ、多くの仲間を失ったダニー・ライアンは、わずかな味方とともに西へと逃亡する。
禍根を残すイタリア系マフィアとFBIの執拗な追跡に次第に追いつめられるなか、当局から自由と引き換えに危険な仕事を持ちかけられたダニーは賭けに出るが――。
メキシコ麻薬カルテル、ハリウッドの裏側も巻き込む男たちの争い。
全米ベストセラー3部作、第2弾!
【解説】SYO(映画ライター)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

269
流浪の末にハリウッドに辿り着くダニー一行。華やかな虚業の裏側に食い込んで力をつけていく流れかな?と期待していたのに、お母さんの家でニートしながら時々、強盗やたかり屋に精を出しているだけにも見えて、イマイチ大物に成りきれない。地元のモレッティファミリーのその後がお得意の群像劇で描かれ、キャシーの意外な顛末やピーター夫妻の最期と、血の匂いは主にそちらで濃い。『犬の力』シリーズと比較すると、暴力や殺戮の描写が圧倒的に少なく、どこか気の抜けた進行であり、これが最終作での爆発のための溜めであればいいのだが。2023/07/01

のぶ

90
ダニー・ライアン三部作の第二弾。感想を一言で言えば、ウィンズロウらしいハードでストレートなギャング小説で圧倒的な面白さに満ちている。一人の女性を巡るマフィア同士の抗争に巻き込まれたダニー・ライアンが仲間と共に自由を求め、逃亡し、家族のために全うな人生を送ろうともがき苦しむ。やっと掴んだと思った幸せな時は砂漠の陽炎の如く消えていくが、それでもダニーは諦めずに安息の時を追い求める。今回はテーマが映画製作に関わる作品なので、前作のような派手さはなく、比較的静かな雰囲気で続いていく。第三弾に期待が高まる。2023/07/01

harass

47
三部作の二作目。破れた主人公たちは散り散りになり逃亡。司法取引などで一段落する。潜伏先でそれぞれの生活と野心。自分たちの戦いを映画にする話があり、制作に主人公たちが絡むのだが… しかし迂闊すぎるだろ。アマゾンのレビュではあまり良い評価ではなかったが、これはこれで楽しめた。まあ一作目に比べると間延びしているのは確かだが。乗りに乗った筆致とストーリーに唸りつつページを捲る。実に読ませる作家だ。おすすめ。次の三作目でこの作家は筆を折るとのこと。2023/07/24

icchiy

38
ダニー・ライアン三部作の二作目。アイルランド系ギャングファミリーのサーガが描かれているが、中心はダニーの生きざまである。チャラ男の全く正反対にいる男の子なかの男としてファミリーを率いていこうとするが上手くいくばかりではなく、どちらかというと多くを手にするが不幸せになっていく落ちが用意されている。今回はハリウッドを中心に書かれており、映画産業との絡みも興味深い。ダニーの悲壮な恋物語もあり、飽きさせない。あと最後の3作目でウィンズロウ作品ともお別れなのは悲しすぎる。2023/12/21

ポルコ

34
まさかのハリウッドへの展開。でもまたまた悲劇的な話が多く、ページをめくるのが辛い。ラストシーンは納得できないこともあるが、次作の第三部は楽しみ。解説ではドン・ウィンズロウが今回のシリーズで作家引退と書いてあったが、そんな事言わずに軽い作品でもよいので書き続けて頂きたい。2023/07/03

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