講談社文庫<br> 高瀬庄左衛門御留書

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講談社文庫
高瀬庄左衛門御留書

  • 著者名:砂原浩太朗【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 講談社(2023/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065296295

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内容説明

第165回直木賞候補作、第34回山本周五郎賞候補作。「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位!
第9階野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回「本屋が選ぶ時代小説大賞」をそれぞれ受賞。
美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。

神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、
さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、
寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。

「心が洗われる」というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。ーー作家・江上剛(朝日新聞6月5日)

この人がこれから作品をどんどん出していくのがドキドキするし嬉しい。すごい時代に立ち会っている気がする。
次回作も必ず読みたい! ーー北上次郎(YouTube「北上ラジオ」)

誰でも歳を取れば、違う生き方もあってのではとの悔悟を抱くもの。
その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。ーー記者・佐藤憲一(読売新聞1月19日)

私は、作者がこれからの時代小説界をリードしていく存在になることを信じて疑わない。
ーー縄田一男(産経新聞2/21)

美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。ーー大矢博子(「小説すばる」3月号)

生きることの喜び、悲しみ、諦め、希望をすべてのみ込んだ時代小説ーー内藤麻里子(毎日新聞2/7)

主人公もさることながら脇の人物たちもよく書き込まれ魅力がある。ーー川本三郎(毎日新聞2/20)

人はどう生き、どう老いていくべきかの指針となる。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん)
全日本人に読んでほしい。(旭屋書店池袋店 礒部ゆきえさん【ダ・ヴィンチニュース3月6日】)
心情が清らかに流れ続けながら、激動の大河浪漫があり、心奪われました。ずっと浸っていたいこの至福の感覚を、
たくさんに人に味わってもらいたい。(うさぎや矢板店 山田恵理子さん)
様々な制限の中で生き、迷いながら歩み続け、心のわだかまりが少しずつ溶ける有り様に、自分の心にも穏やかな風が入り込んだ。
時代小説のすばらしさを感じた。(正文館書店本店 鶴田真さん)
厳しい現実を突き付けながらも生きることの温かさと優しさを感じさせてくれる。(くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信さん)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

161
読み友さん皆が高評価の砂原作家の「神山藩シリーズ」の第一弾!今頃だが読了した。なんだろう・・この満ち足りた読後感は。冒頭から息子を失い、静かに老いていくはずの庄左衛門。既に妻は亡く実家に戻った息子の嫁・志穂と、絵を描くことで倹しいながらも日々を送る身なのだが、図らずも藩の政争に巻き込まれて行くのだ。どんどんと庄左衛門の人柄に引き込まれて行くのが心地よく、事態の進展も実に良く練られていてページを捲る手が止まらない。畳みかけるような伏線回収はお見事で、切なさもふんだんに散りばめられているのが堪らなく好みだ。2024/05/15

ふじさん

100
神山藩で郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前に、妻を亡くし、更に俊才の誉れ高く、郡方本役に就いた息子を事故で失う。残された嫁の志穂と共に、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨に中に生きていた。ゆっくりと倹しく老いてゆく庄左衛門を藩の抗争の嵐が襲う。架空の藩を舞台にすることや扱う主題の面でも、私の大好きな藤沢周平や葉室麟を彷彿とさせる作品。人物の設定や人々の絡み合い巧みさ、謎解きの楽しさ等、時代小説の面白さが味わえる作品。今後の活躍が楽しみだし、市井物も是非書いてほしい。楽しみな作家の出現は嬉しい。 2023/07/10

Willie the Wildcat

65
公私に渡る転機。関係性の齎す因果。否応なしに迫られる「動」の中、一呼吸置く「静」である”筆”。ヒトと季節の変化が、もう1つの動静。積み上げた1つ1つの人間関係や事象に、正面から向かい合うことで再「生」。まず弦之助と番傘。分かっていてもグッとくる。次に挙げたいのが、聴取の去り際の監物の言葉。藩と兄弟、公私に渡る再生也。なお、同場面の定岡市兵衛の言付けも粋。一方、慎造との決着は、主人公の再生の最後のピースだが、義と理の矛盾が滲む。なお士道不覚悟は、どうにも『局中法度』が頭に浮かぶ。2024/06/08

紫綺

62
単行本にて読了。しんしんと降り積もる雪のように淡々と、しかし心には温かく降り積もる時代長編だった。季節や自然の緻密な描写もさることながら、心情の描写も痛いほどに伝わる傑作!2023/09/24

シャコタンブルー

61
最近は嫌なニュースばかりだ。世界史上稀な性犯罪、権力による殺人事件調査の揉み消し、その大事件を忖度して報道しない大手マスコミには嫌悪しかない。だからこそこういう美しい物語を読みたかった。庄左衛門の潔い生き様に憧れる。不器用で実直で無口で。「選んだ以外の生き方があった、とは思わぬことだ」後悔先に立たず、どんな状況に置かれても淡々と今を懸命に生きる。目の前のことを一生懸命にする。それにより、いつの間にか道ができ前に進むことが出来る。白黒の墨の淡い絵だったが、最後はべろ藍により静寂さが増したように思えた。2023/08/25

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