内容説明
世界各国でカーボンニュートラル(CN)化の動きが加速する中、輸送部門におけるCN化を進める上での「電動〔電気自動車(EV)〕化」「水素活用」に続く第3のアプローチとして「燃料のCN化」が注目を集めている。本書では、バイオ燃料や合成燃料に代表されるこれらCN燃料の現状と可能性をグローバルに見渡し、普及に向けた産業・企業レベルでの課題や解決の方向性について提言していく。さらに、CN燃料に詳しい識者に現状の取り組みや見解を聞き、紹介する。
本書は5章で構成する。第1章では、CN燃料に対する主要な国・地域および石油会社のマクロな動向を整理し、第2章では主要なCN燃料の技術開発や事業化に向けた動向を紹介する。第3章では、各種の輸送機器における、CN化へのアプローチとCN燃料への期待を考察し、第4章では、これらを踏まえてCN燃料普及に向けたシナリオや市場予測、CN燃料の社会的普及に向けた必要アクションを提言する。最後の第5章では、CN燃料に詳しい識者のインタビューを紹介する。
目次
第1章 CN燃料を取り巻く環境
・なぜ今カーボンニュートラル燃料か?
・CN化方針の裏に潜む各国の事情と思惑とは
・CN燃料普及で鍵握る石油メジャーはどう動く?
第2章 CN燃料別の動向
・第2~3世代に期待のバイオ燃料
・CN燃料の原料としても注目の水素
・合成燃料の鍵握る原料としてのCO2
・合成燃料はどこまでCNか、コストは下がるか
第3章 用途別CN化状況
・輸送機器のCN化、鍵握る3つの要素
・商用車や建機・農機などのCN化、異なる課題とドライバー
・SAF本命の航空機、水素やアンモニアを模索する船舶
第4章 CN燃料普及への道
・CN燃料普及、3つのシナリオと左右する4つのドライバー
・電動化一辺倒ではCN実現は難しい
・CN燃料普及へ7つのボトルネックと必要アクション
第5章 識者に聞く
・水と空気から造る合成燃料こそ脱炭素への鍵 日本は公社を設立し国策として進めよ
・CN燃料があれば内燃機関でもCNを目指せる 業界全体の協力で、開発効率向上とスピード加速を
・2022年9月に合成燃料の協議会を始動、商用化へ加速 内燃機関でトップ水準の日本が「負けるわけにはいかない」
・合成燃料は特効薬ではない だが、地球全体を救う助けになる
感想・レビュー
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アマノサカホコ
Ujiro21
ロッカ