内容説明
山岳関連書だけでなく、その選書はエッセイ、詩集、民俗学、小説、図鑑、技術書など多種多様。
ドイツ文学者でありエッセイストであり、登山、散歩、旅を愛した池内紀が描く「山」の本の世界。
153回という、『山と溪谷』でも指折りの長期連載を単行本化!
■内容
飯田蛇笏集成 第一巻~第七巻/楢山節考/照葉樹林文化論/越後山岳/高野聖/
山びとの記 木の国 果無山脈/湖畔手記/友へ贈る 山の詩集/日本山嶽志/戸隠の絵本/
ヒマラヤ文献目録/高安犬物語/山の人生/強力伝/富士山/秋山記行/猪・鹿・狸/
蒙古高原横断記/川釣り/山びこ学校/星三百六十五夜/太古の呼び声/愛酒楽酔/
戦場の博物誌/魚の四季/犬と狼/手仕事の日本/柳宗民の雑草ノオト/民俗のふるさと/
花の知恵/吉野の民俗誌/山男について ほか/金谷上人行状記―ある奇僧の半生/
私の古生物誌―未知の世界/ムササビ―その生態を追う/[図解]焚火料理大全/山の声/
新編 百花譜百選/夢の絵本/チャペックの犬と猫のお話/補陀落渡海記、など
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
99
もう池内さんが亡くなってから4年もたっていたのですね。これは山の関連雑誌「山と渓谷」に12年間にわたって連載された書評集です。山に関する本が多いのは当たり前ですが、結構昆虫や動物関連や旅の本の書評も収められています。柳田国男は「遠野物語」ではなく「山の人生」が掲載されていたのには同感しました。それにしてもこのような本を読むと読みたくなる本が増えて困ります。2023/08/28
HANA
55
山や自然に纏わる本を融通無碍に紹介した一冊。名のある文豪の手による物があると思えば、地方の山岳会の記録的な物もあり、自然の中をそぞろ歩いた旅日記もありと、著者の手によって紹介されればどれも魅力的ならざる物は無いようである。特に惹かれるものは山中共古『甲斐の落葉』や柳田国男『秋風帖』、つげ義春『山野記』といった紀行文と各地の民俗が一体になったものかな。最近は気候や体調の事もあり長らく山に行っていないが、秋風が吹いて涼しくなる頃、本書で紹介された一冊を手にもって山路を行くのは何より素晴らしい事だろうと思う。2024/07/13
ショア
27
山に纏わる書評集。2007から19まで「山と溪谷」に連載した山の本棚。150冊以上を収録。山行・紀行以外にも動植物、写真集、俳人の書、風土記、地理、古地図、鉄道、建築、日本人の暮らしや思想、和菓子、等々幅広い。 読みたい本に付箋をつけていったらまたしてもライオンのタテガミのようになりました。 気になった本は読みたい本に登録済。検索しても出てこなかった本:「戸隠の絵本」「魚の四季」「焚火料理大全」「きのうの山 きょうの山」「アルプスのタルタラン」「日本九峯修行日記」「日本之山水 碧梧桐」「江戸前釣りの世界」2023/09/11
マッピー
16
『山と渓谷』という雑誌に連載された、山にまつわる本のブックガイド。目次が二段組みだったので恐る恐る読み始めたのだが、本文は一段だったので安心した。連載コラムらしく、一冊につき3ページ。ただし、登山小説だけではなく、広い意味での山にまつわる本だけですらなく、動物記、民俗学、江戸時代の暮らし、植物観察、料理、植草甚一など、興味の赴くままの選書。表紙絵や挿絵も著者の手によるもの。膨大なジャンルの本が収録されているのに、武田百合子の『富士日記』が入っていなかったな、と読み終わってぼんやり思った。2025/01/24
ひめぴょん
11
山で読む本でもいいし、山を思って読む本でもいい。読みたい本に出会える本。2023/08/12




