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内容説明
広島に住む小学校5年生のリョウタ。同居する祖父から、原爆で亡くなった祖父の兄ミノルの話を聞く。平和学習で資料館に行き、戦争は怖い、二度と繰り返してはいけないと思っていた一方、どこか遠い昔の出来事のようにも感じていた。しかし、祖父の話から興味を持ったリョウタは、亡き大おじミノルの足跡をたどろうと思う。 リョウタが憧れる女子バレー部のキャプテン、レイは共働きの両親にかわり育ててくれた曾祖母のことが好きだった。原爆で子どもをなくしている祖母は、時おり記憶がまだらになり、我が子を捜し始める。近所の子どもたちからも変人扱いされている曾祖母の姿を見るのは辛く、なんとか彼女を救いたいと思うレイだが――。 平和のために、今、私たちは何ができるのだろう――すべての人が幸せに生きられる世界へ、祈りをこめた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
93
児童書。広島原爆の物語。祖父から原爆で亡くなった大おじの話をきいたリョウタは、小学5年生の夏休みヒロシマの町を歩く。6年生のレイは痴呆で徘徊する祖母を心配している。祖母は原爆から60年たった今でも息子を探している。レイは祖母のために、男の子のように髪を短くする。▽2023.6刊。装丁もいい。とても良本、全小中学生に読ませたい。『ぼくがバイオリンを弾く理由』2008年刊のカイトが登場してる、昔読んだな懐かしい。2023/07/15
白雪ちょこ
66
広島原爆がテーマの物語。 夏の田舎の風景や、涼しさなども伝わってくるが、原爆の生々しさや酷さが鮮明に伝わってきた。 お互い他人同士とは言え、つながりがあり 、1つになり、そして負のジレンマを解き放った瞬間は、胸が苦しくなるものの解放感もあって、ようやく報われたことにも感動できた。 子供にとってはもちろん、平和な世を生きてきた私達にも、わからないことだらけ。 平和であることが、どれだけ幸せかということが、ひしひし伝わった。 バイオリニストのカイトも出てくるため、姉妹編となっている内容も是非読みたい。2023/10/29
Willie the Wildcat
64
消えない事実、心の痛み。向き合い方は、人それぞれ。歩き疲れたリョウタを玄関の外でハグした母、そして息子と息子の親友(?!)に言葉を贈るタヅ。母親の想いが詰まった件に、思わずグッとくる。遺された文字やモノなどが語りかけてくる何か、心に響く何かを咀嚼して糧にする。以前広島を訪れた際の語り部の方との時間、平和記念資料館などでの時間が、走馬灯のように蘇る。ユキワリイチゲの花言葉、そして開花時間に、著者の願いが込められている感。原爆ドームの夜景のイラストも印象的。2024/11/20
天の川
60
認知症の老女は勤労動員先で原爆に遭い命を落とした息子の安否を気遣い、街を徘徊する。老女の心の安寧を取り戻そうと、息子と間違うことを願って髪を切った、老女のひ孫のレイ。祖父から大おじの話を聞いて原爆について知ろうと行動を起こしたリョウタが老女についた優しい嘘。小学校高学年の課題図書は当時の状況を小学生に理解できるように平易で丁寧に描き出している。平成の中頃の設定。原爆で身体や心が傷ついた人がまだ広島のそこここに。来年は終戦から80年。せめて本を通して、子ども達にその惨禍を感じてほしい。作者の祈りが聞こえる。2024/07/24
あっか
49
2024年読書感想文コンクール小学生高学年の部課題図書。遠い昔の話に感じられる原爆が、少し自分ごととして感じられるようになる話だと思いました。同じく中2の子を持つ母として、タヅさんのセリフ、行動に一気に涙が溢れてしまった…今年の課題図書は『図書館がくれたたからもの』も戦争のお話だったけど、涙腺が揺すぶられます。2024/07/16
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