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内容説明
日本の途上国支援は、現地との意思疎通を重んじるアプローチや効果的な協力モデルにより、世界的に高く評価されてきた。だが、近年では平和構築や気候変動といった国際課題を意識したものなど国際協力のあり方自体も多様化しており、とりわけ緊迫する国際情勢のなかで安全保障にも配慮した支援が求められている。はたして欧米や中国の手法とは異なる開発協力の姿とはいかなるものか。そもそもなぜ途上国支援は重要なのか。本書では、その現状を幅広く紹介しつつ、これからの日本がめざすべき持続可能な支援のあり方を提示する。
目次
はじめに/第1章 権威主義の台頭とSDGsの危機/1 権威主義と途上国/「体制間競争」/途上国と大国の関係/「グローバル・サウス」の意味/日本の民主化支援/途上国からの期待/2 国際開発指標の悪化/到来した複合危機/経済成長の鈍化と債務危機/国家破綻したスリランカ/赤信号のSDGs/3 ミャンマーの現状と開発協力の行方/軍部の大義/孤立する国家/開発協力の経緯と現状/今後の行方/4 開発独裁の功罪/シンガポール株式会社/権威主義国の開発状況/成長と民主化/アジア的人権論/西洋的価値と開発協力/第2章 日本型開発協力の特徴/1 昔と今の国造り/「まことに小さい国」の挑戦/学んで、選んで、実行/途上国出身の強み/2 成功体験の共有/法治国家の骨格作り/命を守る母子手帳/企業価値を高める「カイゼン」/「カイゼン」の起源/災害大国の知見/3 日本の開発協力モデル/貿易、投資、雇用の経済循環型/「経済協力」の歴史/建設、運営、人材育成の開発セット型/産官学による三位一体型/分業と連携/4 日本型協力の源流/「お雇い外国人」の役割/活躍の秘訣/富国化の拠点作り/台湾の経済開発/「生物学の原理」に基づく施策/借入資金の有効利用/第3章 インフラ協力の新たな価値づけ/1 「インパクト・インフラ」という考え方/建設業者の海外受注/質の高いインフラ投資/平和に貢献するインフラ/2 連結性強化と地域の安定/アフリカ北部回廊による共同体構築/日本が支援する「インパクト・インフラ」/地域融和を促したメコン開発/第二メコン国際橋/インドの北東部開発/インフラ協力と地政学/3 総合安全保障とインフラ協力/命綱となるエネルギー確保/ビンツル港の役割/海上貿易の重要性/国際運河への協力/運営面の支援/気候安全保障/日本の協力事例/第4章 「開発協力市場」での競争/1 国際標準型の協力/先進国の共通規則/「タイド条件」と「チャレンジ制度」/主要国の特色/インドに嫌われた宗主国/日本の占める地位/債務問題を扱うパリクラブ/2 台頭する新興国/「途上国による途上国支援」/中国の支援/「貸し込み」への批判/債務再編への動き/3 インドの途上国支援/協力の実績/支援の特徴/日本と途上国の連携/4 中国の協力手法/インフラ協力の事例/中国輸出入銀行の優遇借款/事業のインパクト/批判の内容/第5章 実施体制の強みと課題/1 総合力と「サイロ」化の罠/開発協力の主役/知見に秀でる地方自治体/現地での活躍/「サイロ」化の事例/2 組織間連携の強み/機動力にすぐれる緊急援助隊/試行錯誤の現場/科学技術外交の実践/宇宙開発と森林保全/3 人と人、心と心/現地に根づく協力/長期にわたる人的交流/親日層の形成/血の通う協力/日本に対する厳しい視線/4 体制構築の課題/協力手法の公式化/司令塔は誰か?/インテリジェンス部門との関係構築/古くて新しい「失敗の本質」/「失敗」を避ける工夫/第6章 戦略的実践主義/1 黄昏期からの覚醒/国力あってこその途上国支援/予算縮小と国益論/質重視の時代/「身の丈協力」の検討/等身大の貢献/2 安全保障と開発協力/途上国支援の意味/「核心的利益」と戦略性/「システム思考」の活用/支援事業の色分け/3 枠を超えた協力手法/新興国との連携/外国のNPOや財団との協働/「結合機能」の強化/受託国家としての矜持/4 信頼構築と国造り/「合理的な利他主義」/共感の罠/武士道は有効か?/信頼の力/おわりに
感想・レビュー
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Mealla0v0
takao
sk
nimuny
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