内容説明
マイケル少年は、妖精の王国でわけもわからずに魔法使いになる訓練を受けさせられた後、やっとのことで現実の世界へ戻ってきた。ほんの数カ月に思えた異世界滞在、現実の世界ではすでに5年の歳月が流れていた。いったいなんのための魔法修業だったのか?マイケルは不審に思いながらも、再び日常生活に溶け込もうとしていた。ところが一息つくまもなく、とんでもない事件が起こり始めた。異世界から現実の世界へと妖精たちが大挙して移動しはじめたのだ!80年代SFの旗手ベアが描いたモダン・ファンタジイの傑作『無限コンチェルト』の続篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黎
2
ベアのこの世界の魔術師とは、物語世界を作る作家の隠喩だろう。才能あるものは全て自分の作る世界を現実の世界に重ねたいと思いながら、暗黒面に堕ちて(!)その物語の持つ毒を誰かに押し付けながら生きていくもの。支えきれずに滅びるもの。様々な魔術師たちから学び、主人公マイケルが世界に最も優しい物語をつくり、それを現実世界に重ね、現実を癒してゆく。自分はひっそりとその世界の一部として平凡に暮らしながら。ベアの理想とする芸術家の姿なのか。2008/12/31
merein
1
SF界の巨匠の書いたファンタジー。前編が無限コンチェルト。これだけ読んでも意味は半分も通じない。
lobking
1
前作よりさらにスケールアップ。壮大なヴィジョンに驚愕。すぐれたファンタジーには必ず現実への強力なフィードバック機能が含まれている。今作も例外ではない。本を読む事は旅なのだと、そしてすべての旅は帰路なのだと改めて気付かされる。まったくもって名作。余談だが80~90年代ポップ音楽好きは「シンクラヴィア」のくだりで思わずニヤリとする事請け合い。クラシック音楽演奏会にサンプラーと打ち込みを導入という非常識でクールなアイディアが楽しい。2010/09/30
マサトク
0
無限コンチェルトの続編、というか完結編。シーの王国の崩壊と地球との統合、そこに関わる魔術師たち、という感じ。読みやすいし面白い。でも前作にあったハードなファンタジーの面白さは少し減ったか。主人公が成長したからかな。2013/10/04
丰
0
Y-202009/01/05