内容説明
「1%の超・富裕層」が仕掛けた「オバマケア」で、アメリカ医療は完全崩壊!
次なるターゲットは、日本だ!
鳴り物入りで始まった医療保険制度改革「オバマケア」は、恐るべき悲劇をアメリカ社会にもたらした。「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」「高齢者は高額手術より痛み止めでOK」「一粒10万円の薬」「自殺率一位は医師」「手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟」。これらは、フィクションではない。すべて、超大国で進行中の現実なのだ。石油、農業、食、教育、金融の領域を蝕んできた「1%の超・富裕層」たちによる国家解体ゲーム。その最終章は、人類の生存と幸福に直結する「医療」の分野だった!
本書は、稀代のアメリカウォッチャーである著者が、完全崩壊した米国医療の実態とその背景を、入念な取材により炙り出した渾身のノンフィクションである。
■主な内容
・「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」
・「自己破産理由のトップは医療費」
・「夢から覚めたら保険料が二倍に」
・「一粒10万円の薬」
・「高齢者医療費は三分の一にカット」
・「自殺率トップは医師」
・「手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟」
・「安い早い! ウォルマートがあなたの主治医になります」
■目次
はじめに 父の遺言
序章 「1%の超・富裕層」たちの新たなゲーム
第一章 ついに無保険者が保険に入れた!
第二章 アメリカから医師が消える
第三章 リーマンショックからオバマケアへ
第四章 次のターゲットは日本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
395
アメリカの今を見据え、日本の将来を展望するこのシリーズ。今回は医療保険と、医療の在り方をめぐる問題に切り込む。基本的人権の中でも根幹中の根幹ともいうべき命の平等性を獲得すべく、共和党をはじめとした猛反対にもかかわらず成立した「オバマケア」。しかし、それも本来の機能を発揮できず瞬く間に空文化してゆく。結局、保険会社、製薬会社、そしてウォール街だけが潤い、かくして1%が他の99%を支配する構図がますます強固なものになる。もはや、国民国家は成り立たないのだろう。国家は国民を守れないし、巨大企業は国家のためにも⇒2016/04/17
紫光日
112
元々、オバマケア自体が怪しいとは思っていたが、内容は本当に酷いものだった。明らかに保険会社が儲かる仕組みになっており、医者の自殺も後が絶たないのは恐ろしいと感じた。そして日本や本には書かれていないが欧州の健康保険制度が狙われているからこそ気をつけなければならない。日本の消費増税や欧州のドイツ1強、TPPやTTIPがその例である事を忘れてはならない。2014/11/20
パフちゃん@かのん変更
103
善意で行われたと思いたいオバマケア(医療保険制度改革)だが、アメリカの健康保険は日本と違ってビジネスだった。自己破産理由のトップが医療費、自殺率一位の専門職は医師。低所得者の入った保険は医師への支払いが少なく医師を苦しめる。その保険を扱わない病院が多い為、保険に入っても診て貰えない。そして日本も。社会保障のために増税したはずなのに、社会保障にあてられたのは1割だけ、残りは法人税減税の補てんで相殺。混合診療が導入されると確実に医療費は上がる。医療格差が広がり、海外の大手保険会社が暗躍する。2015/03/23
Tαkαo Sαito
94
結構前に茂木さんのラジオに著者が出演し、偶然それを聞いてからずっと興味があった本です。日本の医療制度が崩壊したらと思うと恐怖しかないです。自分は無知です。母が介護施設で働いているので今日仕事から帰宅していろいろ聞いてみたら「うわ」と感じました。今年の4月から今までの施設利用者は半日だけしか利用できず、もっと重い患者(利用者)が増えてきたと。更に母が勤める施設が結構前に買収され、名前が変わり、給料は下がらなかったが通所の定員が増えた、ということはより負担が増えるということ。それを統括しているのは医療法人。。2015/05/09
どんぐり
87
一部の富める者と大勢の貧しき者で成り立った格差社会の「貧困大国アメリカ」。上位0.1%の者が国全体の富の20%を所有し、労働人口の3人に1人が職に就けず、6人に1人が貧困ライン以下の生活をしている。アメリカに追随する日本の動きに、ジャーナリストの堤未果さんが警鐘を鳴らしている。年間150万人の国民が自己破産者となっている理由のトップが、「医療費」。そこに登場したのが医療保険制度改革「オバマケア」だ。皆保険制度とはいいながら、実態は日本の公平平等とは似て非なる、「ビジネス」そのものの医療。なんと大手保険会社2016/01/13