内容説明
夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはず―。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の２篇を追加収録！
目次
１ ２ＬＤＫの攻防／２ 指名はしません／３ コンビニの母／４ 東京ドームの片隅で／５ 甘納豆ラプソディー／６ 書かされる立場／７ サムシングエルス／８ 折れずにススメ／９ 明らかに両手が塞がっているとき／10 時が流してくれないもの／11 イマジネーションの檻／12 押し売り無用／13 おもてなし料理のあと／14 魔法が解けたら／15 紙の塔を築く／16 サービスの落とし穴／17 誰がために貴方は進化しつづけるのか／18 ヒデちゃんの当たり棒／19 愛曽野椿子・四景／20 ハードボイルド作家に鼠は似合わない／21 世界一平凡な説教／22 羊たちの憂鬱／23 スモールトーク／24 支柱なき世界／25 日本語で話せます／26 さっさと忘れるしかないような一件／27 タクシードライバー／28 満場一致が多すぎる／29 エスカレーターに背を向けた男／30 破局の理由は……／31 あら、いつのまに？／32 絆について／33 家族旅行／34 こっちの身／35 医療現場の溝／36 庇護者かく語りき／37 傘をさす男／38 電球を替えるのはあなた／39 島田祐一／40 噂の真相
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
39
森絵都さん離婚か！早とちりもほどほどに。落語のような笑い話４０連発。夫婦、恋人、友だち、会社の人、こだわりの人生に訪れるトホホな瞬間。「勇気と感動は間に合ってます。」「年寄りにはタダで親切にしたれ！」「教科書という選択不可能な教材から一方的に『道徳的な読書』を押し付けられた上、感想文までも強要される生徒の立場にも立ってみてください。」「前から気になっていたんだけど、その口ぐせ、直した方がいいと思う。」が気に入ったな。最後に出て来るタイトル。♪それはちょっとできない相談ね～中森明菜だ。お後がよろしいようで。2023/07/29
布遊
32
どれも数ページのショートショート。切り口はそれぞれで、どれも面白かった。もっともっと膨らませて欲しいものもあった。５甘納豆ラプソディーは、どこかで読んだ気がして、再読かと思ったが、そうでなかった。ブラックユーモア好きかも。。2023/06/08
おいしゃん
32
一時期森絵都さんにハマり読み漁ったが、今作は登場人物の年齢層がぐっと上がった超短編集で、かなり新鮮。「こだわりを許して生きていくのも悪くない」という帯に、まさにその通り！と小躍りして手に取ったが、あまりそう感じさせる作品は少なかった。2023/04/05
ピース
30
1作5ページ前後のショートショートだった。しかし面白かった。特に「書かされる立場」は強烈だった。2023/08/16
さち＠毎日に感謝♪
27
40編の短編集でサクサク読めました。オチがちょっとブラックなものが多かったですが、それも含めて楽しめました。森さんは長編もいいけど、短編も面白いっていうのを実感する本でした。2023/10/24
