実業之日本社文庫<br> 向日葵を手折る

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実業之日本社文庫
向日葵を手折る

  • 著者名:彩坂美月
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 実業之日本社(2023/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784408558097

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内容説明

消えた向日葵、連続する不穏な事件――
多感な少女の感情を繊細に描く、慟哭必至の傑作青春ミステリ

父親が亡くなり、山形の集落に引っ越した小6の高橋みのり。
初めての夏、「向日葵流し」のために育てられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。
みのりの周囲ではさらに不穏な事件が続き――。彼女の4年間の成長と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、感動の長編青春ミステリ。
第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門ノミネート作品。

「これほど自然の中に多感な思いがこめられた小説も珍しいのではないか。
自然描写をしなくなった(いや出来なくなったといったほうがいい)作家が多いなかで、
彩坂美月は、丁寧に一人の少女の内面と、過ぎていく季節の流れを追っていき、嫋々たる余韻を残す」
――池上冬樹氏の解説より抜粋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

136
『あの季節は、何もかもが、特別だった』。『胸の奥に微かな痛みを覚える。名前のない、けれどずっとそこにある感情』。父親の急死をきっかけに『山形の桜沢という集落にある母の実家』へと移り住むことになった主人公・みのりの四年間が描かれたこの作品。そこには、みのり、隼人、そして怜という三人の青春の一コマが描かれていました。山形の自然の美しさを鮮やかに映し取ったこの作品。『向日葵男』という謎の存在を追うミステリの醍醐味に酔うこの作品。この一冊だけで彩坂美月さんのファンになってしまうこと請け合いの素晴らしい作品でした。2023/10/28

ちょこまーぶる

57
ページを捲る手が早かった一冊でした。都会から家庭の事情で田舎に越してきた先で起こる不穏な事件の真相が明らかになっていくという感じです。よくある設定かもしれませんが、とても丁寧に書き込まれているので読んでいて次はどうなるの?って思いながら読み進められて楽しい時間でした。そして、都会から田舎に越すと、その土地固有の文化に接して戸惑うことも多くて、人間関係とかも意外と複雑に絡んでいるんだろうなぁ~と思いながら読んでましたね。後半で、事件の真相が明らかになってくると、何故だか胸を撫で下ろしたように思いました。2025/08/25

よっち

35
父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。そこで仲の良い二人の少年・怜と隼人に出会う青春ミステリ。分校の同級生と心を通わせはじめた夏、「向日葵流し」のために植えられていた向日葵の花が切り落とされた事件、時折見え隠れする不穏な向日葵男の存在。成長とともに少しずつ変わってゆくみのり・怜・隼人三人の関係があって、繊細だったその関係の裏にあった構図も明らかになってきて、子供ゆえのままならなさを突きつけられながらも、それでもその時の精一杯で頑張った結末がなかなか印象的な物語でした。2023/06/06

Y.yamabuki

18
“暗がりを抜けた瞬間、視界で強烈な緑がはじけた。その鮮やかさに、思わずあっと息を呑む”父を亡くし、祖母の住む自然豊かな集落へ引っ越してきた小六のみのり。土地に馴染んでいく心情を級友や土地の風習と絡めて瑞々しく描いている、と途中までミステリであることを忘れ秀逸な青春小説と思ってしまった。後半私もみのりと同様ミスリードされていたことが分かり、幾つかあった違和感を思い出し府に落ちた。物語が進むに連れ、みのりと同級生の怜と隼人が中心になっていく。彼等の関係もいい。辛い場面もあるが温かいラストが迎えてくれる 2026/05/17

みやしん

6
感情が揺れ動く思春期に、しずかちゃんが高畑さんとブタゴリラ(代役©藤子F不二雄)に出会う、時に陰湿で時に小さくも重い出来事の数々。そして決定的な事件は起きるが、悪いのは果たして「内の者」と「所詮よそ者」とを分ける、田舎特有の狭苦しい排他的根性なのか。散りばめられた伏線の点がラストまで一気に結ばれていく様が素晴らしい。心底犬が気の毒だった。2024/02/18

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