中公新書<br> シベリア抑留 スターリン独裁下、「収容所群島」の実像

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中公新書
シベリア抑留 スターリン独裁下、「収容所群島」の実像

  • 著者名:富田武【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2023/05発売)
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  • ISBN:9784121024114

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内容説明

第2次世界大戦の結果、ドイツや日本など400万人以上の将兵、数十万人の民間人が、ソ連領内や北朝鮮などのソ連管理地域に抑留され、「賠償」を名目に労働を強制された。いわゆるシベリア抑留である。これはスターリン独裁下、主に政治犯を扱った矯正労働収容所がモデルの非人道的システムであり、多くの悲劇を生む。本書はその起源から、ドイツ軍捕虜、そして日本人が被った10年に及ぶ抑留の実態を詳述、その全貌を描く。アジア・太平洋賞特別賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

85
シベリア抑留と聞いて、三重苦、即ち飢え・酷寒・重労働迄は誰でも理解している。しかし、それがラーゲリ経済との結びつきやソ連の飢饉やドイツ人捕虜との比較等より得られる知識を知っている方はどのぐらいいるのであろう。僕は知らなかった。その他、東ドイツの誕生経緯等も。そういった意味でなかなか知らぬ知識を多方面から知ることが出来た一冊。2017/04/16

skunk_c

64
研究者の手による2016年の書で、日本だけでなくドイツ軍捕虜の実態を含め、またサハリンや朝鮮半島ソ連占領地での抑留などについても調べられた包括的な内容で、この問題を考えるための基本図書と思う。また、被害者である抑留者が、一面では加害者であったことも含めて、そのメンタリティにまで踏み込んでいる。「三重苦」と呼ばれる悲惨な生活実態については、淡々と記述されているが、ソルジェニーツィン『イワン・デニソーヴィッチの一日』の情景が目に浮かんだ。厚労省が個人登録簿を研究目的でも公開しない姿勢はなんとかならないのか。2023/01/01

AICHAN

49
図書館本。8月に予約してようやく手に取った。「シベリア抑留」というと日本人だけだと思っていたが、ドイツ人等も含まれていてドイツ人が多かったそうだ。旧ソ連では刑事犯を強制収容所に入れて多くの工事に従事させる伝統があった(明治期の北海道のインフラ整備は主に囚人によった。それと似ている)。戦後の強制収容所はその伝統を踏襲した。シベリアだけでなく、欧州、北朝鮮などにも強制収容所は置かれた。北海道分割の意図が旧ソ連にあって「抑留」がまかり通ったと思っていたが違うようだ。初めて明かされる「シベリア抑留」の全貌。2017/12/14

おさむ

42
シベリア抑留といえば、私の場合、胡桃沢耕史の直木賞受賞作「黒パン俘虜記」と、小熊英二の小林秀雄賞受賞作「生きて帰ってきた男」です。両作品とも抑留の悲惨さと厳しさを実体験に基づき描いていました。本著は日本人60万人だけでなく、ドイツ人200万人を含む抑留の全体像を多面的に検証しています。近年、北朝鮮や南樺太などの民間人の抑留が報道されたことで日本政府もようやく実態調査に本腰を入れ始めました。抑留者がどんどん鬼籍に入るなか、実態究明と後世への記憶の承継がますます重要になってきています。2017/12/13

aika

37
ソ連国内の人々が犠牲となった矯正収容所を起点に、独ソ戦のドイツ兵捕虜の抑留の歴史を重ねながら日本人のシベリア抑留を俯瞰的に、そして深さをもって辿ることができる一冊です。女性が看護係として抑留されていたこと、ソ連侵攻後の南樺太での「現地抑留」の実態、北朝鮮、そしてモンゴルなどロシア以外のソ連地域での抑留など、客観的なオープンソースと抑留者の証言を基に多角的な視点からシベリア抑留を捉え直せました。70歳を過ぎてパソコンを習得し、4万人を超える抑留死亡者の姓名を明らかにした「村山名簿」のコラムには驚嘆です。2024/03/28

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