中公新書<br> 動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学

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中公新書
動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学

  • 著者名:金森修【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2023/05発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
  • ポイント 320pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021762

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内容説明

動物に霊魂はあるのか、それとも動物は感じることのない機械なのか――。アリストテレスに始まり、モンテーニュを経て、デカルトの登場によってヨーロッパ哲学界で動物をめぐる論争は頂点に達した。古代ギリシャ・ローマ時代から二〇世紀のハイデッガー、デリダまで、哲学者たちによる動物論の系譜を丹念に跡づける。動物/生命へのまなざしの精緻な読解によって「人間とは何か」を照らし出す、スリリングな思想史の試み。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみぶくろ

65
求めていたものとはちょっと違ったがこれはこれで勉強になった。思想史の学者さんらしい文章と構成で正直ちょっと読むの疲れたけれども。だが動物も痛みを感じるからいたわるべきという「常識的」な学者らしかぬ結論は、その常識に収斂されていく過程を多数の哲学者・思想家の言論展開を延々と見せてくれたおかげでけっこう納得。終章で触れているペットへの厚遇と畜産ジェノサイドとが併存する現状分析はとても興味深く、この論点をこそもう少し掘り下げて読んでみたかった。果たして近い将来完全な人工食肉は産まれるのだろうか…。2015/03/08

那由田 忠

21
18世紀のフランスでこの問題が大論争になっていたということに驚いたので面白かった。カトリックの本流から見れば、天国に行ける魂を持つのは人間だけなので、動物に魂を認めるなど思いもしないと私は考えていた。しかし、フランスでは現実の動物の活動を観察して、ある種の知性を認めざるをえなかったわけだ。いままさに動物の扱い方で大きな変化が起こっている。キリスト教の人たちはどう対処するのかに興味がある。その議論は書いていなかったと思うけど。2019/06/16

佐島楓

19
参考にされるのはデカルトやハイデガーなど西洋の哲学者の文献のみというところに不満を抱いたが、仕方ないのかな。「動物機械論」なんて日本人の感性とは相容れないだろうし。うちのわんこは私が落ち込んでいるととても心配してくれる。難しいことよりそれだけでも救われるからいいかな。2012/10/20

Hepatica nobilis

14
有名な「動物機械論」に代表される17,18世紀フランスの思想家の数々。ラ・メトリ、ヴォルテールとか有名な名前もいくつも登場。そこから20世紀のシンガーの動物倫理まで、ちょっと1冊にするには無理がある。でも17,18世紀のくだりは読み応えがあった。著者が、趣旨に沿わないところをばっさり取捨しているので煩わしさは感じない。最後に到達するのはあえて「常識」というぼんやりした冴えない地点、先鋭な「動物機械論」とは真逆なもの。2022/11/16

Schuhschnabel

12
今学期受講しているゼミの内容とオーバーラップしていたのと金森修の著作ということで読んだ。内容で印象に残ったものは正直ないが、学問の発展には、動物機械論という仮想敵(もちろんデカルトやマルブランシュは真面目に考えていただろうが)が重要な役割を果たすという感じがした。ところで、マイクロバイオーム(ヒトと共生している細菌などの微生物)研究が盛んになってきている今日、腸内細菌が作るセロトニンに依存している人間は果たして機械ではないと言い切れるのか、哲学者の意見を聞いてみたいような気もする。2017/10/21

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