強欲資本主義は死んだ - 個人主義からコミュニティの時代へ

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強欲資本主義は死んだ - 個人主義からコミュニティの時代へ

  • ISBN:9784326550920

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内容説明

現在、経済と政治を混乱させているのは、強欲の蔓延である。必要なのは独善的リーダーでも、株主主権の強化でも、国家による中央集権化でもなく、地域コミュニティや多様な中間組織の再生だ。資本主義とコミュニティは共存できる。その処方箋を本書は提示する。

目次

日本語版への序文
謝辞

はじめに──なぜ今なのか?

第1章 何が起こっているのか?

第I部 個人主義の勝利

第2章 個人主義経済学
 ビジネス──株主価値の上昇と下降
 治療の必要性
 政府の評価基準
 功利主義的個人主義とグローバル救済主義の台頭
 補論 市場原理主義──その基礎にある経済モデル

第3章 権利
 財産権の起源
 人権革命
 権利の議論

第4章 公民権から表現的アイデンティティへ
 衝突する権利の主張
 積極行動主義
 独善的ナルシシズム
 建設的な行動主義
 個人主義者はうまくいくのか?

第II部 政府──苦悩の症状

第5章 父権主義的国家の興亡
 国有化
 政府と産業
 医療
 高等教育
 市場と分権化

第6章 政治的地殻変動
 中道の台頭
 大衆の繁栄
 中道の衰退
 自信ある左派の衰退
 右派の問題

第7章 労働党が労働者階級の支持を失った経緯
 イギリスの労働者階級の周縁化
 階級による忠誠心の終焉
 能力主義(メリトクラシー)の台頭
 見せかけの能力主義
 「どこかの人」と「どこでもの人」

第III部 コミュニティ

第8章 私たちのコミュニティ的性質
 コミュニティ
 コミュニタリアン思想の進化
 進化と「経済人」
 私たちは「モデルを知っている」のか?
 共通目的のためのコミュニケーション

第9章 コミュニタリアンの統治
 政治におけるコミュニタリアン
 「共有地の悲劇」を超えて
 多元主義と競争の擁護と限界
 信頼のレベル
 共通目的のためのコミュニケーション

第10章 コミュニタリアンの政治
 コミュニティ、個人、国家、裁判所
 政治と裁判所
 直接民主主義?
 代議制民主主義
 党の指導力
 「包摂的」民主主義?
 「中央集権的」統治?
 「参加型」民主主義

第11章 コミュニタリアニズム、市場、ビジネス
 集合知
 モジュール性
 調停ヒエラルキー
 私たちが必要とする変化
 産業民主主義
 市場とコミュニティ

第12章 場のコミュニティ
 超中央集権化
 人々が帰属する場所に生産的な仕事をもたらすこと
 地域の生産的な仕事に必要な能力を地域住民に
 含意するもの

エピローグ 嵐から身を守るために
 政治
 ビジネス
 介護
 政府の分権化
 嵐
 「私」から「私たち」へ、そして私たちからあなたへ

訳者解説
訳者あとがき
原注
参考文献
著者・訳者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

20
この所、昨年評価が高かった経済書を読んでいます。本書は、個人主義の行き過ぎに警鐘を鳴らし、地域コミュニティ、中間組織の再生を提言する書。欧米の状況、中でも二大政党制の英国が両党とも没落し、遂にはブレクジットで分断される辺りが読み応えがあります。本書の結論は地方への権限委譲(第12章)。序文で日本にも同様の提言をしています。私なりに共感した点は、①地域の実践スキルをメタスキル化し、そこから実現可能な戦略を生み出していくこと、②その地域で暮らす人の誕生から独り立ちまでのセーフティネットを作り上げること。良書2024/02/23

chiro

2
資本主義はここのところ多くの枕詞が付いて形容される事が多いが、概ねこの著作の様なネガティヴな形容が多い。それはこの著作でも触れられている通り「格差」と「分断」を象徴しているからで、その根本に著者は個人主義を挙げている。2008年のリーマンショックや近年の環境破壊からこうしたエゴイスティックなアプローチに警鐘を鳴らす傾向は強まっているが具体的な動きには乏しい。今こうした資本主義へのアンチテーゼとして共同体的な取り組みを提唱するケースが増えているがまだ確立されていないのはこの著作でも同様だ。2024/01/28

オフィス助け舟

2
「この本の中心的な議論はコミュニティと経済の和解にある」「過剰な資本主義を賞賛し、コミュニティを軽視する自己中心的な思想が社会で謝意的なであり続ける限り、社会は深厚な分断と機能不全に陥る」と説く。個人主義に基づく「経済人」が増え、国家は幻想によって国有化などの政策の失敗をし続けて省みない。そうした事例を踏まえて、後半でコミュニタリアンの政治や統治を説明していく……難解で理解できているとは胸を張れないけれど、「経済人とは違い(中略)友好的で助け合う隣人関係は自然な姿」であってほしい、と切に願っている。2023/08/09

takao

2
ふむ2023/07/18

古民家でスローライフ

1
イギリスを代表する政策の専門家と経済学の専門家2人の共著による現代の行き過ぎた個人主義と新自由主義が、共同体を弱め、経済的な格差をもたらした現状を具体的な事例を示して批判した一冊。ウォール街を描いた映画の主人公が言った有名なセリフ「強欲は善である」は、金融資本主義の本質をついた言葉として知られているが、今のアメリカの現状を見ると、限界に近づいていると感じる人は多い。その処方箋としての共同体の再構築は、アテンションエコノミーというもう一つの強欲資本主義が台頭する現状を考えると、その道のりは険しい。2025/08/24

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