内容説明
「切るなら、 机でも、皮膚でもなく、
見えないものを切らないといけないんだ」(本文より)
毒親との生活。はじめての恋。AVデビューと引退。
「あたたかい地獄」からの 帰還を描く、著者渾身・初の私小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナカとダイアローグ
8
「家庭環境が不遇だったから、感性が豊かで創造的なんですか?」という旨のインタビューに対し、真っ向から反対していた映像が印象的だったことから興味をもち、Spotifyを聴いて、最新の著書を購入。考えてみれば当たり前に、制約・暴力(肉体的・精神的)に怯えていると創造どころじゃない。AV現場は優しい嘘の世界、官能的で下品に魅せるための思いやりと清潔さが必要な場所だった様子で、丁寧に語られている(私小説)自分の手紙が歌になったときの心境、向き合い方に葛藤。本当嘘、清浄汚濁、二項対立で説明できることは無いと思う。2023/06/27
は
2
最近、自分に対してものすごく劣等感を感じ、なんなんだこの人生はと思うことがあるのだが、戸田真琴氏も、似た感情を抱くことがあるのだろうか、と。文章が美しくてすごく良い本でした。人生、短編の足し算のように思えることが多々あるのだが、いくら独立していると思っていてもどこかで複雑に絡み合っているということに、後から気付かされるんだよな。何の話って感じだが。2023/07/23
erie
1
これはかなり高い水準の作品だと思う。この手の経歴の人たちの作品の中だけでなく、例えば芥川賞受賞作の中に置いたとしても水準以上に来ると感じる。そもそもタイトルが秀逸である。構成がちょっとわかりにくい部分もあるが、ものの感じ方と表現の仕方がとても高いレベルにある。こういう私小説系以外に行った時に、どこまでいろんな物を作ってくれるか。2023/12/05
りさ
1
まこりんの文章、大好きです 特に第一章の「ゆうれいに恋」が本当に綺麗、この恋の神聖さと特別感に安心します2023/10/11
ishida
1
元人気AV女優の私小説。なかなか重たい話が続くが、男性としていろいろ考えさせられる部分や、撮影の裏側などの発見も。これからはやりたいことをやって、幸せに前に進んでほしい。2023/06/20