内容説明
「スターハイツ」はみどり町に建っている37室あるマンションです。駅前の商店街をぬけて、道路をわたって、公園を通りすぎて、ちょっと坂をのぼったところにある、白い7階建て。管理人の森田さんから見える、住人たちの暮らし。ちょっとふしぎなお話5つを掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
56
優しい夢の中のような、古い記憶の欠片を捜しあてたような…そんな物語。マンションの管理人、森田さんの周りでは不思議で素敵なことが起こります……。「風町通信」もそうだったけれど、竹下さんの作品は読んでいて優しい気分になります。ラストも微笑ましい。2023/12/17
ぶんこ
34
スターハイツ0号室の管理人森田さんはクロスワードパズルが大好き。想像力が豊かなのでしょうか、日々管理をする合間に不思議なできごとに遭遇します。ピンクの帽子と迷子の男の子の話が好み。なんだかスターハイツが空から守られているようです。卵のセールスマンもほんわか。私は猫が出てくると嬉しい。捨てられた運動靴が、自ら5階のお部屋に戻ろうとするのを助ける管理人さん。不思議に出会っても平常心で助けられるっていいなぁ。最後の植木のオチはご愛嬌。こんあ管理人さんがいるハイツ、住んでみたくなります。2023/12/27
史
6
彼はマンションの管理人。別にたいそれた過去があるわけではない。だけども、いや、だからこそちょっと不思議の日々ですら、日常の延長線上にしてしまうのかもしれない。すべての話が不思議に包まれている。マンションの帽子、セールスマン、靴、星、観葉植物。どれもすごくほっこりして、暖かく、自然と笑顔になってしまう。とても素敵な物語です。面白かった!2023/03/17
あんみつ
5
スターハイツの管理人さんを主人公にした連作童話。犬や猫などの卵を売りにくるセールスマンのお話がとてもワクワクしました。『お話の木』は、端から見るとちょっとハラハラするような内容なのに、管理人さんの温かく落ち着いた人柄が出ていてなんだかほんわかした気持ちになりました。こういうこと、自分にも起きてくれないかなぁ…起きるかもしれないなぁ…なんて、楽しい想像をめぐらせたくなる不思議で柔らかい読後感です。2014/02/27
kaolu
3
スターハイツの管理人、森田さんの1日は少し不思議な出来事に見舞われながらも和やかに過ぎる。「おはなしの木」の最後の締めくくり方がよい。挿絵も素敵で和んだ。2016/03/14