刑事何森 逃走の行先

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刑事何森 逃走の行先

  • 著者名:丸山正樹【著】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 東京創元社(2023/06発売)
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  • ISBN:9784488028947

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内容説明

優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)。翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げたが、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。渋みのある刑事たちの活躍を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ。/【目次】「逃女(とうじょ)」――ベトナム人技能実習生による傷害事件。何森は、女性の逃亡を手助けする組織の存在を知り……/「永遠(エターナル)」――ラブホテルでの殺人事件の重要参考人は、パパ活をしていた若い女性だった……/「小火(しょうか)」――公園トイレの放火事件に、容疑者として浮かび上がったのは高齢者ホームレスだったが……/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

169
『クー・バン』なる組織がこの国にあってほしいと思ってしまうのは、この国が弱者に優しくないからだ。何森の相棒・みゆきが言う「私たちは、何も知らないんですね・・・」そうだ、みゆきだけじゃない。私も何も知らないんだ。〈社会全体として難民問題に関心を寄せる人が少ないことがあります〉くぅ・・デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ第2弾、複雑な気持ちで読了した。定年間近の何森は、これからどうするのだろう‥2023/07/07

しんたろー

150
『デフ・ヴォイス』のスピンオフで、刑事・何森シリーズ 第2弾は、3編の連作短編…私は知らなかった日本の問題点を鋭くとらえた内容で、己の不明を恥じた。追い詰められた社会的弱者が犯罪に手を染めてしまう哀しい事件に、何森とみゆきが向き合う物語。司法や行政の歪みに愕然とするし「明日は我が身」と思える現実が恐ろしい。それでも、人に対する希望を訴えているかのような丸山さんの文章に多少は救われる。サスペンスとしての面白さを持ちながら、切ない人情も書き込まれていて、我々が考え行動すべき指針となる是非、続けて欲しい作品👍2023/08/05

fwhd8325

135
シリーズ2作目。舞台が地元だけに、よりリアリティを感じる物語でした。様々な問題を織り交ぜながらのこの展開は、見事だと思います。最終決着は次回にお預けなのでしょうか。これからも何森刑事の活躍を期待しています。2023/09/05

ネギっ子gen

117
【続篇実現のため、この読メで「刑事何森」を推しましょう!】「デフ・ヴォイス」のスピンオフ第2弾。著者曰く「シリーズのレギュラー陣の中で一番人気のキャラクター」の刑事・何森稔も、本作では定年を迎える年齢。ということで、本作は刑事何森にとっては「最後の事件」となるのだが、著者は3作目もシリーズの一環として書きたいようである。そして、その3作目が日の目を見るかどうかは、偏に本作の売り上げにかかっていると。「外国人女性」と「女性」に関わる物語。ベトナム人技能実習生の課題など、問い掛けられた書。「逃女」など3編。⇒2023/08/18

ゆみねこ

102
ベトナム人技能実習生が上司を刺して逃走。ラブホテルで客を殺して逃亡した女。公園トイレの放火事件の容疑者の高齢女性ホームレス。社会の狭間で苦しむ弱い立場の女性たち。定年間近の何森は新井みゆきとコンビで彼女らの行方を追う。この国の法律の融通の無さに悲しさでいっぱいになる。非合法の組織かもしれないが、「クー・バン」が存在して欲しいと思ってしまった。2023/07/21

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