内容説明
江戸の片隅で養い子の千吉と暮らす青年弥助は、実は妖怪の子預かり屋。夜な夜な妖怪達が子供を預けにくるのだった。そんな弥助の家の外にそっとたたずむひとりの妖怪、人恋しそうな彼女を弥助は家に招き入れるが……「軒先にたたずむもの」、石地蔵そっくりの妖怪が子供を預けにきた。だが三人の兄弟は仲が悪く喧嘩ばかり……「仲の悪い三兄弟」、へちまそっくりの貸し道具屋の若旦那が拾った手鏡、そこには……「迷子のへちま」等、妖怪達のにぎやかで不思議な日常を描いた短編9編を収録。可愛くてちょっぴり怖いお江戸妖怪シリーズ第3弾。/【目次】プロローグ/軒先にたたずむもの/仲の悪い三兄弟/迷子のへちま/蛍狩り/秘密の茶飲み仲間/蛙達の家探し/冬の訪れ/年末の餅つき/鼓丸(つづみまる)の毛/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
63
弥助がすっかり少年になり、千吉の保護者っぷりが良かった。久蔵も放蕩息子だったころはもはや懐かしい。萩乃、飛黑の馴れ初め、時津、朱刻の馴れ初めや、あせびと十郎カップルなどサイドキャラに焦点を当ててくれているのも良かった。とはいえ、今回は津弓や梅吉の出番がなくて少し残念。次は出てきてくれるかな。2023/11/07
Nyah
47
短編集。弥助20歳、千吉6歳。彼らと、他の妖怪と人間の日常。読者に募集したオリジナル妖怪が登場。言霊姫、石蔵一家。ほのぼのするけど、本筋読みたいな。2023/10/29
ぽろん
38
一生懸命な妖の子供たちが可愛いらしくて、心和みました。子供になった千吉も相変わらずの様子で愉しかった。2023/08/20
ひさか
37
2023年6月創元推理文庫刊。書き下ろし。新シリーズ3作目。通算13作目。たくさんの妖怪を登場させた連作短編が9編もある。たわいない話ばかりで、読書サービスの一環なのか。千吉の秘めた能力なんかが気になるのだが…。ぼつぼつそこいら辺りをやって欲しいです。2023/07/26
よっしー
33
今回は短編集。普段焦点の当たらない面々が主役の話もあり、思わぬ一面が見られたので、嬉しい1冊でした。どの話も短いので、スキマ時間にサクッと読めるのもありがたいです。個人的には月夜公と玉雪の秘密の逢瀬がお気に入りです。この先もずっと続いていくだろう、平和な一時といった感じでしょうか。にしても、千弥から千吉になっても、変わらず見守ってくれている人の多い事。そう考えたら、幸せ者ですね!!2025/02/14
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