文春e-book<br> パンデミックを終わりにするための 新しい自由論

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文春e-book
パンデミックを終わりにするための 新しい自由論

  • 著者名:村中璃子【著】
  • 価格 ¥1,599(本体¥1,454)
  • 文藝春秋(2023/05発売)
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  • ポイント 350pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163916996

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内容説明

この5月で新型コロナは2類から5類に移行し、日本のパンデミックもやっと終わりを告げることになる。
世界でパンデミックが発生した当初こそ、欧米での死者のあまりの多さに比べ、日本ではそこまでの被害が出ていなかったことから、ファクターXなどと、日本の特殊性を賛美する声があがった。しかし、それは幻想だった。欧米ではいち早くパンデミックを終息させ、マスクのない日常を取り戻しているのに、日本ではだらだらと感染拡大は続き、まる3年たってもマスクを外せない暮らしが続いている。
なぜなのか。
それは、日本が人権を制限できない国だからだ。
前の戦争の反省から、日本は人権の制限に極端に及び腰な国家になった。
しかし、感染症対策は、どこかで人権を制限しなければ効果的に行えないところがあるのだ。たとえば行動の自由を制限するロックダウン。欧米ではほとんどの都市でロックダウンが行われたが、日本では「お願い」「自粛」のレベルでしか行動は制限されず、感染は拡大を続けた。
ワクチンの接種も「推奨」であって「義務」ではない。今回がパンデミックは史上初めてワクチンによって終息することは最初から明らかだった。それでも、ワクチン接種を義務化できなかったことで、いつまでも重症者が減ることがなかった。

本書はWHOで感染症対策に従事したおともある筆者による、新しい自由論である。
人権は大切だが、それが制限される局面もある。国家は国民を説得し、そのことを許してもらわなくてはならない。それこそが、今後、国家に期待される役割なのである。

国民は3年間、不自由に耐え、できることはすべてやった。あとは政府の決断だけだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ベラ・ルゴシ

8
自由を守るため、自由を取り返すためには個人の自由が一時的、部分的に制限されることもある。ワクチン接種が義務化された国でも結果として 義務化が見送られた国でも、その認識はパンデミックを通じて確実により広く共有されることになった。 多大な命と経済の損失の後、欧州で人々が理解したのは自由とは最初からそこにあるわけでも勝ち取ったら終わりでもなく、時や文脈に応じてその意味を繰り返し問い直し、理性と努力で守っていく必要があるというただ一つの真実である。 補足、日本が何故ワクチン開発戦争に参戦しなかったか?良く解った。2023/08/26

coldsurgeon

8
パンデミックという緊急事態における自由や民主主義の価値や意味について考える、というテーマで、科学的根拠も踏まえ、語る。自由とは、最初からあるわけではなく、勝ち取ったら終わりではない。時と文脈に応じて、その意味を繰り返し問い直し、理性と努力で守っていく必要がある。自由を守るため、自由を取り返すためには、個人の自由が一時的、部分的に制限されることもある。日本の社会ではパンデミックは嵐のようにいずれ立ち去ると考える人が多いが、本来は積極的に終わらせるものだろう。パンデミックに対応できない感染症法の見直しが必要。2023/08/10

木ハムしっぽ

6
独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所の研究員である著者がパンデミックの歴史を振り返りながら新型コロナに対するヨーロッパと日本の対応を比較して痛切に日本政府を批判する。民主主義国家の自由とは、パンデミックのような非常事態においては状況に応じて国民の自由を強制的に制限と緩和を指示する事こそが国民の生命を最大限に守り、自由を早期に回復させるのだと。そのためには科学的な分析と政治決断が欠かせない。全く諸手を挙げて同感。日本の現政権と専門家会議及びマスメディアの新型コロナ対応には憤りを感じる。2023/10/05

gokuri

5
2023年5月に発行の、コロナ対応の経過を振り返った本。兵器としての病原菌、ウィルス研究の実態など多くがとても興味深い。著者はドイツの研究所でパンデミック対策にかかわっていただけに、日本のコロナ対応に対する批判は厳しい。とくにオミクロン以降の2類から5類への以降手順やその間の医療ひっ迫など日本の対応の遅さはそのとおりだ。日本人の政府、世間とのかかわり方と欧米における個人の自由・権利とそれを制約する国家との対峙、感染症対応やパンデミックに対してきわめて異なる対応がされたということだと感じる。2024/01/20

030314

3
「忘れてはならないのは、これだけの被害を経験しても人類はなおパンデミック再発防止の枠組みを持っていないことだ」「日本人一人一人は国の要請や推奨に従いやれることはすべてやってきた。だから、今度は国が仕事する番だ」以上、抜粋。新型コロナ騒動が始まって4年、自分も専門家と称する人達や行政やメディアに翻弄されて、全体像がわからなくなっていた。そのまとめとして考える機会を与えてくれる内容。読み応えある。2023/08/16

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