内容説明
くり返し見る夢の景色を探して旅立つ少年、恋人を取り戻そうと村を出奔する青年、一度は愛した男に裏切られた女、政争と権謀術数の渦に巻き込まれる人々――不条理な運命に翻弄され抗う先に救いはあるのか。キャラクターの濃さとストーリーの構成力を選考委員から絶賛された、日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
29
★★★☆☆日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作。第一回の『後宮小説』を想起させる三国志やらを連想する中国風な舞台のファンタジー。この世は天地を開闢させた神竜の見ている夢だと?大好きな佐藤史生の世界じゃん!田舎の村で舞巫女と結婚の約束をしていた武人が都に連れ去られた女と会うために出世を目指す。神権政治で治められた国に忍び寄る他国の影、だが神官長は信仰心こそ厚いものの現実を見ない老人で。ここまで女に執着するならもっとそれ以前に書き込んで貰えなきゃ唐突で薄っぺらい。それと編集者にはぜひ地図をつけて欲しかった2023/08/10
りょうけん
12
<存> ジャケ読みの一冊。そのジャケ絵の雰囲気は決して僕の好きなモノでは無かったけれど本の題名と合わせて,なんか読んでみようかなと思った。まあ,僕の場合ジャケ読みはどうしてもこういう感じのSF伝奇モノになるのだけれど。 2023/08/06
緋莢
10
図書館本。<この世は常夢 なべて神獣の微睡 夢中の我らは 眠りを醒ますことなきよう安らかなることこそ運命>繰り返し現れる夢の風景を求める少年・縹が主人公。彼と、その周囲が政争と権謀術数の渦に巻き込まれていく、という帯に書かれている通りの作品。中華風の世界のは好みで、日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作という事で手に取りました。戦闘シーン、哀しいラストなど、決して悪くは無かったのですが、物語世界に入り込むまではいかず、そのまま終わってしまいました。自分にはあわなかったようです。2024/03/09
一五
9
ファンタジーノベル大賞 舞姫景が太上神官の言により、(都の)夢望宮の祭踊姫(さいようき)に召し上げられた所から事が始まった。主たる傍観者の縹 中盤ぐらいから怪しいとは思ったけど……。 中華幻想譚 面白いが、なんか救いがない。ちとくどい?2023/09/20
ぬらりひょん
8
日本ファンタジーノベル大賞受賞作。この手の分野は苦手かもと腰がひけてたんだけど、すんなり世界に入りこめてあっという間に読んでしまった。表紙画が美しくて、脳内ではすっかり韓流ドラマにすり替わっていた。神獣の登場をいまかいまかと待っているうちに、終わっちゃったけど…。でもラストがいい。すべて夢だったのかなぁ〜って。2023/09/27