内容説明
停滞する賃金、止まらないインフレ、そして世代間格差――。働いても働いても貧困から脱出できない若年層の女性たち。彼女たちのリアルな現実は、主要メディアではほとんど報道されることはない。未成年売春、ホス狂い、風俗、虐待、奨学金……過酷な境遇にある女性たちの生き様を『東京貧困女子。』などの著書があるノンフィクションライター・中村淳彦氏が活写する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark X Japan
8
衝撃の内容です。恣意的なのかそうで無いのか分かりませんが、このような状況はバブルまでは誰も予想していなかったでしょう。人口減とか高齢化率とは異なる凋落ぶりです。財務省や日銀の方々は、どう思っているのでしょうか。☆:4.02023/06/28
きょん
7
ここ数年、ふと気づくと本当に実質賃金と名目賃金の差がすごいなと実感している。その状況は貧困女子にはさらに追い討ちをかけている。大学に進学し、真面目に勉強したいだけの女子が、自分が進学したいんだから風俗で働くのは当たり前、と思うこと自体が異常であり、優秀な人材をみすみす無駄にする社会に憤りを禁じ得ない。そして離婚や失業を経験し、年齢を重ねた女性は生きるか死ぬかレベルまで叩き落とされる。なんでなんだろう。なんでこんなに生きづらいのか?自己責任論で片付けていいものなのか?明日は我が身、冷水を浴びせられた気分だ。2023/07/23
栄吉
5
★☆☆☆☆ 女子大生の学費問題、コロナ禍の風俗事情などのドキュメントだが、他に方法は無かったのか?と思ってしまう方達もいる。2023/07/24
てくてく
5
貧困に陥れば男は犯罪・女は性風俗という観点から、性風俗に入らざるを得ず、さらにコロナ禍で苦境に陥った女性たちを取材している本。何かあると女性を切り捨てて男性を守ろうとする点はその是非はともかくある程度納得できるし、貧困に陥る女性たちがそこに至るまでになんとかできたのではないかと思ったりするところはあるが、現代社会の一部をとらえているところは事実だと思った。2023/07/08
かんちゃん
4
以前読んだ『東京貧困女子』と似たような内容。ただコロナがあって余計に状況が悪化しているのは間違いたない。 明日は我が身かもしれないという感覚とどこか他人事という感覚が自分の中で共存する奇妙な読後感2024/12/31