角川文庫<br> 風と共に咲きぬ

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角川文庫
風と共に咲きぬ

  • 著者名:清水晴木【著者】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • KADOKAWA(2023/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041136638

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内容説明

鈴木花子はヒロインのお友達ポジションでいつも恋を盛り上げる存在だった。怪人ブルタンは愛する家族を残し地球に出陣するが、正義のヒーローを相手に敗北。正義戦隊ジャスティスグリーンは決してセンターをはることができない。脇役、敵役、ちょい役――。そんな哀愁漂う登場人物たちは今日も主役を引き立たせていた。人生という名の舞台で奮闘する彼らは、物語に大輪の花を咲かせることができるのか。心温まる連作短編!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

167
なんてこったあ。優しさが溢れだしてる物語ではないか。これは心が弱ってるときに読んだら、人によっては涙がでてしまうぞ。相手を思いやり、慈しむ。いいじゃないか。自分の人生が、たとえ脇役、適役、ちょい役だと思ってても、他人から見たら主役である。思い残すことなく人生を一生懸命に楽しまなきゃね。ちなみに、自分は影で裏方のような役割の人生でありたい。あっ、それはすなわち脇役か(笑)。連作短編で、全てにおいて優しくハートフルとは、まさにこのことという物語。この物語から、幸せのお裾分けをいただきました。2024/02/10

シナモン

109
脇役、適役、ちょい役…サイドプレイヤーにスポットをあてた物語。読み始めはそうでもなかったんだけど、繋がっていく物語にじわじわと面白さが広がって。気づいたらあっという間に読了でした。全編通してモチーフとなっているタンポポの存在も良かったなぁ。胸にじ~んとくる一冊でした。2023/08/15

おしゃべりメガネ

96
とてもピュアな短編集でした。繋がるトコは繋がるので、連作でもありますが、余計な雑念は一切なしにしてまっすぐなキモチで読み進めるコトのできる一冊です。4つの話とエピローグで構成されており、どの話も主役にスポットを当てるのではなく、脇役、バイプレーヤーにフォーカスした話でなかなか興味深く読めました。大半の人がなかなか主役を演じるコトは少ないだろう人生において、それぞれの脇役がちょっと見方や考え方を変えるコトで主役になりえるステキなマジックがここに綴られています。個人的には「鈴木花子」さんが良かったですね。2024/01/22

のんちゃん

38
夫の本棚から。美人主人公の女友達、戦隊ものヒーローの緑色役、時代劇の斬られ役等、物語の脇役になってしまう人々の心内を描いた連作短編集。人生に於いてなかなか主役になれる場面は、人間、そうそうない。だから、本作の登場人物の心の中のつぶやきには共感できる人が多いと思う。しかし、作中にもある様に、自分の人生に於いて、自分はいつも主人公だ。だから明日からも腐らず前を向いて生きていこうと読後、そう思える読者もきっと、また、多いと思う。平易な文章で、ハートにダイレクトに響く温かく爽やかな読後感に満ちた優しい作品だ。2023/11/18

よっち

36
脇役、敵役、ちょい役―哀愁漂う陰日向に咲く登場人物たちが人生という名の舞台で奮闘する姿を描く連作短編集。ヒロインのお友達ポジションでいつも恋を盛り上げる存在だった花子視点の友人の恋愛模様、愛する家族を残し地球に出陣し正義のヒーローを相手に敗北する怪人、正義戦隊では決してセンターを張れないグリーンの苦悩、そして斬られ役の役者の奮闘、物語の観客役。相対的な立ち位置では哀愁漂う脇役的ポジションとしか思えなくても、一方で自分自身の人生も確かにあって、それぞれが悩みながらも一生懸命に頑張る姿が印象的な短編集でした。2023/06/17

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