内容説明
男性育休取得率向上の先に、われわれは何を目指すべきなのか? 日本、ドイツ、北欧での調査をふまえ、育児をめぐる文化や言説、制度の内容、改正のプロセス、実践について分析し、構造転換に向けて方策を提示する。ジェンダーにとらわれない子育てと夫婦のワーク・ライフ・バランスを模索し続けてきた著者による、集大成的大著。
目次
はじめに
第1章 問題の所在と理論枠組み
第2章 父親の子育てをめぐる言説・政策・実践
第3章 母親の育児休業と父親の育児休業 ― 量的データから
第4章 ひとりで育休を取った日本の父親たち ― インタビュー調査から
第5章 日本の育児休業制度の特徴 ― ノルウェー・スウェーデン・ドイツとの比較をとおして
第6章 父親の子育てが当たり前の社会とそれを支える仕組み ― スウェーデンとドイツの事例から
第7章 日本の育児休業制度の成立・変遷と父親の取得率向上への取り組み
第8章 男性育休促進のポリティクス ― 課題はなぜ解消されないのか?
第9章 男性育休の構造転換をめざして
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
21
家族社会学の研究者による男性の育児休業に関する研究書。ドイツやスウェーデンでのインタビュー調査や国会議事録の言説分析などを通して、日本の育休制度が男性単独で利用したいと思わせるような仕組みになっていないという課題を検証している。育休取得率は上がり、女性の第一子出産後の離職率も下がるという傾向から性別役割分業意識に変化の兆しが見られるとする一方で、男性の育休取得期間の短さには根強い性別役割分業意識がうかがえるとする。きめの細かい検証が出来ているので、男性育休の研究としては画期的な著書だと思う。2025/05/04
あいか
2
その期間・給付金額からOECDの中でも最も手厚い男性育休の制度を有する(意外!)一方で、未だにかなり低い男性育休の取得率が日本の女性のキャリア形成の阻害要因となっている、、この課題について日本の文化・政策・実践面から探った本。 北欧ドイツの政策との比較や、日本での法改正プロセスを詳細に追ったり、実際に育休を単独で取得した男性らのインタビューでは期間中の孤独感などについても拾っていて面白い。文化面では日本の企業風土あるいは家族観の変遷なんかにはあまり触れておらず、薄い印象。 2023/06/16
Miki Shimizu
2
男性の育休、どうやったら男が単独で長期間育休を取れるか、考察した本。ドイツとかスウェーデンとかの制度とも比較しつつ、現行の制度はここが問題ちゃう?みたいな提案もあり。
ぽん
1
これは追加の研究が俟たれる。なぜ男性育休の取得が進まないかがこれまでのクエスチョンだったわけだけど、ここ1,2年の変化がまさに大きいわけだから、著者の研究の続きを見せてほしい/育休制度の充実は少子化対策の側面ばかり注目してしまっていたけれど、ジェンダーのアンバランスの視点は持っておきたいと反省した。2025/11/24
お抹茶
0
日本のおける男性育児休業の政策過程,休暇取得者へのインタビュー,ノルウェーとスウェーデンとドイツの事例などをまとめる。男性の取得者で「孤独は大変大きかった」という本音があって,女性も同じことを感じているのではと思った。男性育休の先行研究もレビューされているため,この分野を詳しく知りたい人にはちょっとしたブックガイドになる。2023/11/26
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