内容説明
モンゴルでの生活は驚きの連続。マイナス30度の極寒で車がなくては買い物にも行けない。モンゴルの若者は酔ったら家には帰らない!? 食事は肉と乳ばかり。友人曰く、草を食べた家畜の肉を食べているのに、なんでわざわざ野菜を食べるのか、と。そこには大草原をかける遊牧民ならではの理由が…。
公邸料理人が見た、モンゴルの知られざる食と暮らし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
113
乾燥し切った冷涼な草原に生きる遊牧民の子孫は、家畜と共に生きる術を学んできた。そんな土地に料理人として赴いた著者が、日本とは何もかも違う料理や食材で体験するカルチャーショックの数々はまさにワンダーランド。一滴の血も流さず羊を屠殺解体し、肉もミルクも毛皮も利用し尽くし、厳しい自然で生き残れない鶏や豚や豆類には見向きもせず、市場で狼の毛皮を山積みで売っているのだから。『ねじまき鳥クロニクル』で日本兵がナイフで皮をはがされて殺される場面も当然かと思える。村上氏はモンゴルで同じ場面を目撃して作中に取り入れたのか。2023/04/29
kanki
20
給食おばちゃんが公邸料理人に。極寒と乾燥のモンゴル。羊の屠殺。肉と岩塩。読んでるとお腹が空いた。2024/02/29
tom
19
けっこう優れものの旅行記だと思う。著者は、公邸料理人としてモンゴルで3年暮らした。モンゴルというだけで、ワクワク感があるけれど、そこで3年も暮らして働き、お友達を作って羊を喰い続けた。3年という期間喰い続けたから見えてきたことを書いてくれている。面白いことが多々。とりわけ書いておきたいのが、〆たばかりの羊の美味さ、羊の血のスープと牛の乳から作るミルク、馬の乳から作る酒(馬乳酒です)。血のスープ、しばらく前に読んだタイ料理の本にも出てきたけれど美味いらしい。魅力的モンゴル生活。2024/08/27
ようはん
18
モンゴルについて食文化始めこれは知らなんだ的な話は多い。例えばモンゴルといえば肉を食べているイメージはあるが、鶏と豚はモンゴル高原での遊牧に適してないとの事で滅多に食べられないとの事。砂漠のイメージが強いラクダは寿命の長さと環境への強さで重宝されているが肉ははっきり言ってまずい事が語られる。2024/08/22
ちゃーびん
10
海外エッセイはかなり読んだけれど、トップクラスに素晴らしい本でした。単純にモンゴルの食や文化を褒めるのではなく、風土や文化からどんな成り立ちでモンゴルの現在の食の形になった必然を探る姿勢がとても心地良く読めます。ただ外国の文化を褒める事に終始するエッセイも多い中、保育園の調理師から在モンゴル日本国大使館公邸料理人になった異色の経歴は伊達ではない。こういう方が本当の意味での外交官なのだと思います。タイトルのイメージを軽く上回っており、モンゴルに興味がある方にはかなりおすすめ。 ★★★★★ 2025/07/11
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