講談社現代新書<br> 日本の死角

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講談社現代新書
日本の死角

  • 著者名:現代ビジネス【編】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 特価 ¥499(本体¥454)
  • 講談社(2023/05発売)
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  • ISBN:9784065319581

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内容説明

いま日本はどんな国なのか?
私たちはどんな時代を生きているのか?
意外と見えていなかった「日本の謎と論点」

【本書のおもな内容】
●「日本人は集団主義」という幻想
●中国で見た「日本衰退の理由」
●なぜ若者は結婚しないのか?
●「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の落とし穴
●日本の学校から「いじめが絶対なくならない構造」
●地方で拡大する「移動格差」
●「死後離婚・夫婦別墓」の時代
●「中国の論理」に染まるエリート学生たち
●若者にとって「個性的」が否定の言葉である理由
●なぜご飯は「悪魔」になったのか?
●「ていねいな暮らし」ブームと「余裕なき日本社会」
●災害大国の避難場所が「体育館」であることの違和感
●女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
●性暴力加害者と被害者が対面したらどうなるのか?
●アフリカ人と結婚した学者が考える「差別とは何か」
●“褐色肌・金髪・青い眼”のモデルが問う「日本社会の価値観」

「『移動できる者』と『できない者』の二極化が進んでいる。かならずしも地方から出る必要がなくなるなかで、都会に向かう者は学歴や資産、あるいは自分自身に対するある種無謀な自信を持った特殊な者に限られているのである。
問題は、そのせいで地方社会の風通しが悪くなっていることである。学歴に優れ、資産を持つ『社会的な強者』だけが抜けていく地方になお留まる人びとには、これまで以上に地元の人間関係やしきたりに従順であることが求められる。
結果として、地方では『地域カースト』とでも呼べるような上下関係が目立つようになっている。移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。その結果、親の地位や子どものころからの関係がより重視される社会がつくられているのである」――「日本人が『移動』しなくなっているのはナゼ? 地方で不気味な『格差』が拡大中」より

目次

●「日本人は集団主義」という幻想
――高野陽太郎(認知心理学者)
●日本人が「移動」しなくなっているのはナゼ? 地方で不気味な「格差」が拡大中
――貞包英之(立教大学教授)
●日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇
――畠山勝太(NPOサルタック理事)
●日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと
――藤田祥平(小説家)
●日本のエリート学生が「中国の論理」に染まっていたことへの危機感
――阿古智子(東京大学教授)
●いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である
――土井隆義(筑波大学教授)
●日本の学校から「いじめ」が絶対なくならないシンプルな理由
――内藤朝雄(明治大准教授)
●家族はコスパが悪すぎる?結婚しない若者たち、結婚教の信者たち
――赤川学(東京大学教授)
●ご飯はこうして「悪魔」になった 大ブーム「糖質制限」を考える
――磯野真穂(医療人類学者)
●なぜ「ていねいな暮らし」はブーム化した一方、批判も噴出するのか
――阿古真理(作家・生活史研究家)
●「死んでまで一緒はイヤ…」日本で死後離婚と夫婦別墓が増えた理由
――井上治代(NPO法人エンディングセンター理事長)
●自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感
――大前治(弁護士)
●女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
――岡田千尋(NPO法人アニマルライツセンター代表理事)
●性暴力加害者と被害者が直接顔を合わせた瞬間…一体どうなるのか
――藤岡淳子(大阪大学名誉教授)
●「差別」とは何か?アフリカ人と結婚した日本人の私がいま考えること
――鈴木裕之(国士舘大学教授)
●私が「美しい」と思われる時代は来るのか?“褐色肌、金髪、青い眼”のモデルが問う
――シャラ・ラジマ(モデル)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

148
オジサン世代では一般常識とされていた話が、今や全く通用しなくなっているとは。日本人は集団主義ではなく、若者にとって個性的とは「ぼっち」の意味で、地方から若者が上京するのを躊躇していると言われたら耳を疑ってしまう。イジメがなくならないのは学校が全体主義化したためで、災害時に体育館へ避難するのは世界の非常識となると、もはや思考停止寸前に陥る。無論、各論者の誤認や考え違いもあろうが、周辺から聞こえてくる情報と一致する部分が多いのも確かだ。「常識を疑う思考の複眼化が大切」と唱えた西尾幹二氏の言葉を改めて思い出す。2023/07/22

ねこ

122
2023年発行の本書は、いま日本はどんな国なのか?私たちはどんな時代を生きているのか?を深い知見を持つ方々が端的に語っている。日本人が「移動」しなくなったのはナゼ?いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である。家族はコスパが悪すぎる?結婚しない若者たち、結婚教の信者たち。「差別」とは何か?など。「差別」…ヒトは分割して、群れて、安心する。そして人間集団を分割する際には「われわれ/他者」という基準に沿って、状況にあわせた線引きがおこなわれる。そこに付与される意味は当然「われわれ=優/他者=劣」になる2023/07/03

なっぱaaua

61
日本の集団主義、衰退、結婚、移動、いじめ、死後離婚、差別といったテーマで本当にそうかという視点を読者に気付かせてくれるという主旨。現代ビジネスに寄稿したで初出が2016~18年の話が多くて何で今出したという内容も多い。当然ながら22、23年視点も踏まえて追記している話も多いが。日本の学校からいじめが無くならない話はまさにそれな!という感じ。本当学校だから教育の一貫になってるけど犯罪だからね、それは。「姻族関係終了届」の存在は知らなかったです。2023/05/25

HMax

47
これまで以外と見えていなかった日本という国、そして日本人の「謎と難題」を、様々な論客の目を通して見る。題名の「日本の死角」と関係は無い気がしますが、面白い話しはそこそこあり。「自然災害大国の避難が「体育館生活」であることへの大きな違和感」、先日の地震でも相変わらずの対応、自己責任を基調とする日本政府に対する批判、確かに何とかならないかと思ったが、「ハーバード式教育の闇」にある日本の世帯収入中央値はアメリカ最貧州のミシシッピより1万ドル以上も低いのであれば、ない袖は振れぬとなるのでしょう。立ち上がれ日本!2024/01/13

Roko

46
日本って、どうしてこんな国なんだろう?と思うことがたくさんあります。実際にはそうじゃないのに、日本は先進国だとか、高度技術を持っているとか、協調性があるとか、信じ込んでしまっている人が大勢いたり。台風や地震で非難する先がいまだに体育館であることを不思議に思わなかったり、どうしてこんなにも見事に洗脳されてしまっているのか?と思うことがたくさんあるのです。 そういう疑問に対して、この本は様々なことを教えてくれます。2024/01/17

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