内容説明
月うさぎが跳ねたら、明日の吉兆――江戸の義賊として名を馳せた鼠小僧次郎吉が、獄門になった。相棒であった材木問屋「新宮屋」の主・祥吉は、残された次郎吉の妻と息子・大次郎を命にかけても守ることを誓う。ある大商いをものにした祥吉は、熊野杉の買い付けのために、大次郎、木場の川並の健次とともに七日船に乗り、紀州・神宮へと向かうが・・・・・・。苦難に負けず、明日を信じて生きる人びとの、義理と人情と誇りを描く、傑作時代長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
43
磔刑にあった鼠小僧次郎吉の妻子の物語? 次郎吉の相棒だった祥吉が、隠れ蓑だった材木の商いに本腰を入れるべく、木場の材木問屋に顔見せに行った事から、大商いとなり新宮へ買い付けに行った所まで。品川から新宮までの船中、新宮での人々とのふれあいが、山本さんらしく暖かい。 新宮では川沿いの家々が折り畳み!?となっていて、川があふれそうになると畳んで避難するには目が点! 次郎吉妻のおきちのお金の使い方には違和感を覚えました。 盗んだお金、しかも死罪にもなるやの金額をお賽銭にする為に持ち歩く? 喝を入れたくなりました。2015/02/02
優希
42
人情のあたたかさを感じました。苦難に負けず、明日を信じて生きる人々の誇りが心地良かったです。2022/01/07
酔拳2
29
最近ハマっている山本一力先生。この人の江戸ものいいんだわ。ただ今回は主人公の職業が俺の中ではっきりせず…材木商なのかな?鼠小僧次郎吉にまつわる人たちなんだけど、なぜその設定なのかも、うん、ちょっとわからない。主人公も祥吉かと思ったら、川並の健次なのかな?なんか色々ちぐはぐな感じがしたけど(失礼!)話自体は面白いっす!2024/01/23
きょちょ
22
直木賞作品よりはるかに面白い。 特に人間が良く描かれているというわけではないのだが・・・。 また、イノシシを一太刀で、というのは別にしても、それ以外はまるで作者がこの時代(江戸)を生きていたようなリアリティがあると感じた。 商人や町人のありようが面白く、これは現代の人間の生き方にも通ずるものがある。 ★★★★2022/02/15
コージー
22
一力さんの職人話、今回は材木商と、木材を運ぶ川並についての話。相変わらずの真っ直ぐで気持ちの良い人々が多く、掛け合いで良い方向に向かっていくたび、ハラハラしたり、ホッとしたりした。特に最後の水戸藩士達との掛け合いは見もの。芯を持って、真っ直ぐに物事にぶつかることが、一番なんだと正月に思った。2016/01/02
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