アート・ローの事件簿 美術品取引と権利のドラマ篇

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アート・ローの事件簿 美術品取引と権利のドラマ篇

  • ISBN:9784766428841

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内容説明

小説より面白い 名画・美術品の裁判!
「岩窟の聖母」の報酬裁判? メイプルソープの写真はわいせつ? ピカソ、レオナール・フジタの作品は掲載できない?
アートをめぐる取引、作家の権利はどう判断されているのか。
アートマーケットが盛況のいま、比例して美術品に関する裁判事件も増加している。アートと著作権、外国の美術館からの取り戻し、環境保全に関する事件など、特にアートとマーケットにかかわる数々の裁判事件を紹介する。
美術品にまつわる事件の「面白さ」に加え、アート法の世界を楽しむことのできる1 冊。

[収録事件]
●ダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」事件/ ●ダ・ヴィンチ「聖母子、聖アンナと羊」事件/ ●ダ・ヴィンチ「サルバトール・ムンディ」事件/ ●カラバッジョ「トランプ詐欺師」事件/ ●レオナール・フジタ作品事件/ ●ピカソ「曲芸師と幼いアルルカン」事件/ ●ジェフ・クーンズ「ストリング・オブ・パピーズ」、「ナイアガラ」事件/ ●リチャード・プリンス「カナルゾーン・シリーズ」事件/ ●ウォーホル「プリンス・シリーズ」事件/ ●アンリ・マティス「ダンス」、「音楽」事件/ ●マレーヴィチ「シュプレマティスム・コンポジション」事件/ ●グスタフ・クリムト「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」事件/ ●カミーユ・ピサロ「サントノーレ通り、午後、雨の影響」事件/ ●メイプルソープ写真作品事件/ ●「センセーション展」事件/ ●「表現の不自由展・その後」事件/ ●赤瀬川原平「模型千円札」事件/ ●クリスト/ジャンヌ・クロード「オーバー・ザ・リバー」事件/ ●ストーンヘンジ事件/ ●イサム・ノグチ「新萬来舎」事件

目次

Ⅰ アートの取引をめぐって
事件01 ダ・ヴィンチ「岩窟の聖母」制作の報酬
事件02 ダ・ヴィンチの素描画「聖母子、聖アンナと羊」の売却委託の手数料?
事件03 ダ・ヴィンチ「サルバトール・ムンディ」等の取引?
事件04 カラバッジョ「トランプ詐欺師」と一流オークションハウスの義務

Ⅱ アートの著作権
事件05 レオナール・フジタ作品は書籍、展覧会図録に掲載できるのか?
事件06 ピカソ「曲芸師と幼いアルルカン」等は展覧会の宣伝に利用できるのか?
事件07 ジェフ・クーンズ「ストリング・オブ・パピーズ」、「ナイアガラ」と著作権の侵害?
事件08 リチャード・プリンスのコラージュ作品「カナルゾーン・シリーズ」と写真集『イエス、ラスタ』の著作権
事件09 モノクロ写真に着色したウォーホル「プリンス・シリーズ」とプリンス肖像写真の著作権
コラム 名画にトマトスープ
コラム NFTアート取引のリスク

Ⅲ 外国の美術館が収蔵する略奪品の取戻し
事件10 アンリ・マティス「ダンス」、「音楽」は取り戻せるか?
事件11 アメリカに貸し出されたマレーヴィチ「シュプレマティスム・コンポジション」の行方?
事件12 グスタフ・クリムト「アデーレ・ブロッホ= バウアーの肖像Ⅰ」の奪還
事件13 カミーユ・ピサロ「サントノーレ通り、午後、雨の影響」をめぐる攻防

Ⅳ アートと表現の自由
事件14 メイプルソープの写真作品はわいせつか?
事件15 「センセーション展」は公共の施設で開催できないのか?
事件16 「表現の不自由展・その後」はハラスメントか?
事件17 赤瀬川原平「模型千円札」は芸術か、犯罪か?
コラム バンクシーの失敗?

Ⅴ アート・文化財・環境の保全
事件18 クリストとジャンヌ・クロード 「オーバー・ザ・リバー」は環境破壊なのか?
事件19 「ストーンヘンジと関連遺跡群」を横切る車道を地下トンネル化できるか?
事件20 イサム・ノグチ「新萬来舎」と「ノグチ・ガーデン」は移築できるか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スプリント

5
興味深い事例・ケースが多く没入できた。 2023/09/08

Kolon

2
絵画の著作権や売買の歴史はややマニアックだが掘り下げると面白い分野である。特に中世ヨーロッパにおいての画家とクライアントのビジネスの在り様は興味深い。 ピカソは自分の著作権の価値を理解して巨万の富を築いた人だがアーティストとしてはかなり例外的なビジネス的素養を持った人物だったと言えるだろう。2024/03/26

Humbaba

2
その絵を購入したのは何が決め手なのか。そして、その真贋を見抜けるだけの人が購入したのか。それによって、贋作を掴んでしまったときにどこまで保証するべきなのかが変わってくる。契約の時点でそこまで決めて、契約書に明記ができればそれが最も簡単なのだが、多くのケースにおいては実際に問題が生じるまではそれが問題になることや、その解決にどれだけの労力がかかるかを想像するのは難しい。2024/02/10

P-man

2
美術品を巡る取引や保護に関する裁判事例を、法律の素人にもわかるような言葉で(これが本当にありがたい)紹介してくれる一冊。レオナルドが当事者になった昔のものは一例だけで、あとはすべて現代の裁判だが、そのテーマ性や国ごとの性格、アートというものの捉え方の違いがまとまっていて非常におもしろく読めました。まあ、正直やっぱり訴訟やらなんやらのお話なのでゲンナリする部分は多いのですが(日本のあいちトリエンナーレ……)その問題点・争点を理路整然と法解釈されていくのが読んでいて気持ちよくもあります。2023/07/06

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