砂の都

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砂の都

  • 著者名:町田洋【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2023/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065317372

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内容説明

「すぐに忘れてしまうことと、どうしても忘れられないことの違いってなんだろう」。これは不思議な砂漠の孤島に生きる人々の「記憶」と「建物」を巡る物語。漫画界大注目の俊英・町田洋(『惑星9の休日』、『夜とコンクリート』)が贈る、ロマンティック・デザート・ストーリー!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

50
人の記憶が建物を作り出す町。砂漠の真ん中に佇む小島のような、そんな小さな町にある建物は、そこに住む者がいなくなると砂に帰し、新たな住人には懐かしい家を与えてくれる。カスバのような、迷宮のような・・・。全てを受け入れているかのような主人公は、ひとりの女の子と出会い、日常が変わっていく、否、日常を変えていく。淡々と進む時間、そして変わっていく世界。最終話の衝撃が、砂しか見えなかった世界に海と空の青を連れてくる。この本に出会えて良かった。2024/02/10

SGM

18
入手するまでのすったもんだあって疲れたのだが非常にいい漫画だった。人の記憶から生成され移動する砂の都に住む人たちの話。砂の都は脳科学の概念である「ライブワイヤード(≒適応的に変化する脳)」のメタファーのような感じがする。「人は生きる墓標だ 同じ人間が常に死に続ける」という登場人物の台詞がそう思わせた。新陳代謝によって細胞は常に新しいものに代わっている。人は死ぬまで死に続けているわけだ。そんな小恥ずかしい哲学的な感想も抱きながら読んだ。読んだ後はなんだか海に行きたくなる。海はすべての生物の生まれ故郷だから笑2023/09/14

スズコ(梵我一如、一なる生命)

16
久しぶりに出版された町田洋作品。待ち望んでました。不要なものは削ぎ落とし、80年代にあったような硬質な絵と同じように数少ない言葉たち。砂漠を移動する丘の上に立つ街に建つのは住む人の記憶から作られる建物。記憶が薄れれば自然と崩壊する。そこに住む青年の恋と旅立ちを通し、希望と喪失、儚さが描かれている。読んで涙が止まらなかったが、どうして何に心揺さぶられて泣いているのか、まだハッキリと分かっていない。何度も再読できる、味わい深い作品。2024/01/14

R子

16
当たり前に感じている日常も場所も人も、みんな変わっていく。砂のモチーフや、記憶が建ち崩れる設定は、そんな儚さの象徴だろう。大切なあの場所は、憧れていたあの人は一体どこへ。喪うことへのおそれと、新しいものへの戸惑いが淡々と描かれていた。ラストは晴れやかで心地よい。著者の本を読むのはこれで2冊目。あとは『惑星9の休日』を読む!2023/06/04

ほうじ茶子

14
人の記憶が建物を建てる、砂漠を移動する町。そんな辺境の町に住む人たちのお話。読み友さんのレビューに導かれ読んだ物語は、台詞が少なく余白の多い作品で豊かな余韻を心に残す。初めて読むのになぜか懐かしい。書き留めておきたい気持ちが立ち上がってくる。おじいさんたちの台詞が刺さる。主人公の男の子と気になる女の子ふたりが、月夜に迷路の上を歩く場面が素敵すぎる。そして最後のなんともグッとくる軽やかな読み終わり。とても良かった!他の作品も読んでみようと思います。2024/02/23

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