内容説明
天皇と東條英機が御召列車で「戦勝祈願」の旅。マッカーサーが列車に乗らなかったワケ。太宰治『人間失格』は「鉄道知らず」。落合博満と内田百閒、時刻表の因縁──。あの時あの人が乗り合わせた鉄道だけが知っている、日本のドラマ。朝日新聞土曜「be」連載の新書化、待望の第2弾、出発!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
シリーズ2作目です。新聞掲載順ではなく、関連のあるものをまとめられているので読みやすくなっています。第1章では「天皇の祈りの旅」ということで皇室関連での列車の話が集められています。また政治家が利用した話もあります。第3章では「文豪の夜行列車」ということで、ここでは「落合博満と内田百閒」が面白く落合がマイペースで時間が迫っても列車にいそいでは乗らずに目前で新幹線の扉が閉まってしまうということも起きます。第5章の「夢の駅弁」も楽しめました。2024/04/09
まーくん
86
"1931(昭和6)年12月12日、東海道本線の興津を午前9時34分に出る東京ゆきの普通列車に、82歳になる西園寺公望が乗った。西園寺は…" 若槻礼次郎内閣の総辞職に伴い、昭和天皇に呼ばれた「最後の元老」は別邸「坐漁荘」から皇居へ向かった。鉄路に刻まれた、この国のドラマをエッセイとして「鉄学者」原武史先生が綴る。章建ては「天皇祈りの旅」「都会を離れて」「文豪の夜行列車」「事件は鉄路で」「夢の駅弁」。鉄板ネタの皇室と鉄道のエピソードの他、著者の育った西武沿線とその後移り住んだ田園都市線の話題も。⇒2023/08/21
雲をみるひと
29
鉄道関係の著作が多い作者のエッセイ集。鉄道関連の話題だが、そこまでディープな話が少ないので鉄道ファン以外でも楽しめる内容だと思う。作者の作品らしく天皇や団地の話題も登場する。2023/06/26
おっとー
12
ちょうど米沢に行ったばかりのこともあって山形新幹線や奥羽本線のコラムに特に魅かれてしまった。コスパやタイパが重視される世の中から距離を置いて、在来線で風景を楽しみ、ボックス席で見知らぬ人と話し、その電車に乗った有名人を偲ぶという本来の鉄道の魅力を考えるための貴重な本。目的地に着くことだけが旅行なのではなく、その手段を楽しむこと、さらにはその手段自体を目的とすることもまた旅行の醍醐味である。読んでいると鉄道に乗るために旅行したくなる。どんな辺鄙な場所でも行きたくなる。2023/07/25
オールド・ボリシェビク
9
原武史、本当に筋金入りの鉄道好きなんだなあと感心することしきりのエッセイです。日本近代史と絡めながら、日本各地の鉄道についての知識が広がっていく仕立てだ。鉄道好きだからこそ、新幹線による在来線廃止がもたらす、沿線の風景の荒廃などへの気配りも細やかだ。良いなあ、鉄道の旅に出たいなあ、と思わせてくれました。2023/05/17
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