内容説明
ナメクジ、ダンゴムシ、モヤシ、イモムシ、雑草……。いつも脇役の、「つまらない」生き物たち。しかしそのつまらなさの裏に、冴え渡る生存戦略があった! ふしぎでかけがえのない、個性と進化の話。
目次
はじめに/第1章 「みっともない」生き物/ナメクジ/ヘビ/アホウドリ/ブタ/ミミズ/イモムシ/第2章 「にぶい」生き物/ダンゴムシ/ナマケモノ/スローロリス/カメ/キーウィ/モヤシ/サツマイモ/第3章 「ぱっとしない」生き物/カモノハシ/ペンギン/カバ/タヌキ/ケラ/アリ/クズ/第4章 「こまった」生き物/コウモリ/ハゲワシ/ブチハイエナ/オオカミ/ミイデラゴミムシ/糞虫/イエバエ/ゴキブリ/雑草/第5章 やっぱり、そのままでいいんだよ/イルカは速く走れない/イルカの生き方に学ぶこと/足の遅いチーターはいない/個性というやっかいなもの/オナモミの個性/自然界に答えはない/タンポポの花は黄色い/いらない個性はない/さらにヒトは助け合う/第6章 あなたもそのままでいいんだよ/サルとヒトの境目/人間の大好きな物/そして、人はそろえたがる/遺伝子には逆らえない/それでも努力は無駄ではない/自分の遺伝子との付き合い方/あなただけの遺伝子/あなたがあなたである確率/この世に一つしかないもの/おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
67
「ちくまプリマー新書」常連!の稲垣栄洋先生。子ども達もよく知っているなめくじやダンゴムシ、たぬきやゴキブリなどの生き物の進化上の位置づけや生態学的な特徴を、小学生にも分かる言葉で説明したうえで、それぞれを「そのままでいいんだよ。」と、全ての生き物が生き物として肯定される存在であることを教えてくれる。最終、第6章では、弱くて助け合う存在としての人間の在り方とともに、この世に一つしかないものとしてのあなた(読者)に、「あなたは、あなたのままでいいんだよ。」と語りかける。子どもたち、きっとわかってほしいなあ。2023/05/31
けんとまん1007
55
ナマケモノに限らず、それぞれの生き物には、漠としたイメージがある。もちろん、それは、その生き物のごくごく一面しか知らないことからきている部分が多い。それは、生き物としての人間も同じだし、それぞれの生き物にも、個体による違いがある。そんなことを想い出させてくる、こころが柔らかくなる1冊。2023/09/16
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
26
動物園のスター的ではない動物たちを「つまらない」と紹介し、「そのままでいいんだよ」と締める。生き物の進化にまつわるトリビアにへえへえ言いながら読んでいたら、最後にドスンとやられた。相田みつを的な結論に、数字と科学で導かれる。そのままでいい、とは、生き続けていい、と思った。そのままでなくても、生きてていいんだもの。2023/08/30
たぬ
25
☆2.5 ペルム紀がベルム紀になってるよ~(泣)農学博士の著者がそんなミスするわけがないし別の章ではちゃんとペルム紀になっていたから編集者の責任ですな。特段目新しいことが書いてあるでもなく、うん…まあ…そうだね。で終わってしまった。2つの決まり文句「神さまはどうして~お創りになったのだろう。」「だからね、~そのままでいいんだよ。」はいらない。ぶっちゃけ寒いし邪魔。2023/12/12
manamuse
22
「植物はなぜ動かないのか」の人だった。この先生すごく優しい。知らないことをたくさん知れた。遺伝子を冷蔵庫に例え、なんで勉強しなきゃいけないの?とよく子供達が言うことに対して返答ができる。とてもよかったので、こっそり学童の本棚に追加しておこう。2024/03/24