内容説明
すべての始まりは誕生日だった。「みんなで家族になりましょう」。鎌倉の民宿に、ある家族が長逗留している。息を潜めるように暮らしているが、実はテレビでも特集された有名人たちらしい。新生児の頃に子供を取り違えられた二組の家族が支え合い、共同生活を営んでいたことが注目されたのだ。それが、なぜここに？ 原因は、彼らを襲った殺人事件と、その驚くべき顛末にあった。歪んだ日常の先で待ち受ける更なる悲劇とは!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
92
新生児の取り違え、その二組の家族は産みの子も育ての子もかけがえの無い我が子だと共同生活を始めた。やがて家族の一人が殺人事件を起こし、歪んでゆく家族の関係。無実を信じて待つ家族と、罪を許せないもう一方の家族。読み進めるうちに違和感を覚え、ゾワリと怖い人物が。そして本当に怖いのは…！デビュー作でも感じたが、いびつな家族を描くのが上手い。2023/06/30
えみ
71
こんな終わりがあったなんて…そんなの信じたくない。これから読む方にはかなりの衝撃を覚悟して挑んでほしい一冊。最後の最後まで気を抜いてはいけない。一瞬の隙が命取りになる。誰がどんな思いで、何を見ながら生きているのか…。思いやりの中で寄り添い生まれた幸せの家族。だけどそれは鏡に映し出された偽りの家族。覗き込んだらそこは一面の闇。果てしない闇が見える。それは恐怖の家族「ごっこ」…？それとも強固な絆が生んだ歪み？ただただ人を信じるということがどんなに難しいかということがわかる、諦めと希望が誕生した瞬間を忘れるな！2023/07/07
ヒデミン@もも
51
麻加朋さん初読み。読みやすいし面白かった。ミステリーとしては細かい突っ込み所はあるけれど、誰が犯人？どれが真相？先が気になり一気読み。エピローグにも驚かされたが、その辺は曖昧なままの匂わせだけでよかったかも。何といっても一番驚いたのは、これがデビューから二作目でコスプレとかアニメとか出てくるからかなりお若い方と思ったら同年代。良い刺激をもらった。2023/07/05
海の仙人
38
著者２作目。新生児の頃に子供を取り違えられた二組の家族が支え合い、共同生活を営んでいる。そこで発生する殺人事件。真犯人は？動機は？。事件の裏には「シェア家族」の闇が隠れているようで先が気になり一気読み。犯人は、「やっぱり」と思って安心したら、最後にさらに怖ろしい事実が明らかになり、一番怖ろしいのは身近にいる善人か…、怖い怖い。2023/08/18
fuku3
37
2023.7.9読了。もったい無い!こんな美味しい食材を調理が下手で不味くなった!そんな読後感です!病院の手違いで子供を取り違った二組の家族が我が子可愛いさにシェア家族としてドキュメンタリ番組で取り上げられた!ここまではいいとして!ここからがイケナイ!作者が意気込み過ぎたか令和に迎合しょうとしたのか!何でもかんでも入れ過ぎ!殺人.冤罪.コスプレ.アニメ.レイアー.将棋のダイングメッセージ. ジェンダー.〇〇症候群.幾ら何でもやり過ぎ!もっと地に足の付いたしっかりした物を書い貰いたい!薄ペラい感じが否めない2023/07/09
