内容説明
母の三回忌、実家である都内の離島に帰省した橙花。都会暮らしに疲れた橙花にはちょうどよい休暇だった。故郷に暮らす一つ年下の弟の翠は、スリランカ人女性と結婚し、間もなく新しい命が誕生する予定。実家に着くと、橙花を出迎えたのは、母のワンピースを着た父だった! 唖然とする橙花に追い討ちをかけるように、夕食の席に現れたのは、見知らぬ中年男・和生と、その娘で生意気な女子高生・ダリア。そして父はこう宣言した。「父さんな、あたらしい家族の母さんになろうと思う」。性別、血縁、国籍、あらゆる壁を超えた、あたらしい家族の誕生を描いたユートピア小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
家族の形は血縁関係だけじゃないのですよね。色々な家族の形があってもいいじゃないですか。母の3回忌で帰省した橙花の家族は、彼女の知っていた家族じゃなかったので戸惑ったことでしょう。でも、そこにいた人たちは皆家族のように振舞っていた。新しい家族の形ができていたんですね。家族とは何が正しいとかじゃないのだなと痛感させられます。2024/08/13
Karl Heintz Schneider
13
母親の三回忌に出るために久々に故郷の島に帰省した橙花。そこで待っていたのは、スリランカ人の弟嫁、女装した父親、そして見知らぬ中年男性と女子高校生だった。私がいない間にどうしてこんなことに!最初は事態を受け止められない橙花だったが。「家族になるってさ、男とか女とか、恋とかセックスとかだけじゃなくて、愛さえあればオッケーなんだと思う。」血がつながっていることだけが家族の定義じゃない。性別とか、年齢とか、国籍とか、そんなものをすべて超越した家族のカタチがあってもいい。著者はそれを言いたかったのではないだろうか。2023/05/20
こばゆみ
8
面白かったけれど、読み終わったあとに既に映画が公開されていると知ると、「そうだよな〜これは小説より映像向きの作品だよな〜」って、なった(^^;) 久しぶりに実家に帰ったら、父が亡くなった母の服を着て、赤の他人と同居しているという状態に出くわし、戸惑う橙花のお話。個人的に高校生のダリアが主人公の話を読んでみたいと思ったのでした!2023/04/12
蓮水
1
家族は血縁関係だけではない、愛さえあれば家族になれる。言いたいことは分かるけれど説得力に欠けるというか、さほど響かなかった。父が死んだ母のワンピースを着て台所に立っているという始まり方は良かったと思うけれど、全てのエピソードがどこかで見たような話で上手く絡み合っていない感じがした。 収録作の「えん」の方が好きだった。ナリヒラくんが大人と子供の狭間という感じで良いキャラクターだった。高校生にしては子供っぽい琴子も親友の前では弱みを見せるところが可愛らしいなと感じた。ただ「えん」も終わり方が適当に思えた。2025/04/19
pandamiru_
1
みんな幸せでいられるなら家族の在り方なんてなんでもいいよねって言うお話。 生きてるだけでえらいよ〜*.2023/05/12
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