内容説明
令和の家族小説はここからはじまる。
セレブ一家に生まれた秋は、同性パートナーの哲大と静かな日々を送っていた。しかし、急逝した実父に2歳の異母弟、蓮がいたことが判明した。蓮の後見人となって哲大とともに「家族」をはじめることを決意。三人は名門私立小学校への受験を試みる。それは世間の偏見とのたたかいでもあった――。
血縁も地縁も希薄になりつつある現代――。
家族とは何か? つながりとは何なのか?
「母からは、俺たち三人は“家族ごっこ”だって言われた。だから、養子縁組もしたんだけどね。でも家族ってなんだろ、って思うよ」
――秋たちの切なる問いは、私たちの当たり前を優しく揺り動かす。
短歌、純文学ほか、フィールドを越境し続ける小佐野彈による初のエンタメ長編小説!
当事者だけが知る”最高お受験”のカラクリ。それに挑むゲイ・カップルが清々しくけなげだ――林真理子さん
愛することや認めることだけではなく、離れることや嫌うことも家族の形なのだと気付き、名実ともに彼らが「家族」となっていく様子を、ぜひ見届けてほしい――スケザネさん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
信兵衛
26
家族って何なのでしょう。 お互いに大事な存在と思い合い、一緒に支え合って暮らしていこうとする関係、それが家族でなくして何だろうと思います。 寛容性のある社会を望みます。2023/06/14
Rosemary*
25
男性カップルが、養子を迎えお受験を通してともに成長し、家族の絆、あり方を認識していく。お受験、なんとなく想像していたけれど桁違いのやり取りにビックリ通り越してアングリ状態。まさしく住む世界が違う、ただ、現実にあることなんだろうな。自他共にその世界の主人公が庶民派のパートナーと暮らし互いに相手の考えを受け入れながら変わっていく様、夫婦でも同様、他人が共に暮らすには相手を認め受け入れることが大切と思う。また、子供は親の影響が大部分であり育て方って本当に責任重大だと改めて感じた。面白かった!2024/05/19
井戸端アンジェリか
14
あらすじが興味深かったので買ってみた。皆様物分かりが良くてらっしゃる。そして恵まれとる。そしてワタクシは今だヤサグレとる。買った価値はあったな。めでたしめでたし💕2023/07/02
れんこ
14
同性カップルが2歳の異母弟を養子縁組し、家族になっていく。普通と言われる組み合わせでもいろいろ起こるし…。どんな形であっても幸せになって欲しい。2023/06/16
すみの
13
セレブ出身の秋と、庶民で体育教師の哲大のゲイカップルが、秋の異母弟を養子にむかえ、小学校お受験に挑戦するお話。2023/08/19