ちくま学芸文庫<br> 女王陛下の影法師 ──秘書官からみた英国政治史

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ちくま学芸文庫
女王陛下の影法師 ──秘書官からみた英国政治史

  • 著者名:君塚直隆【著者】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 筑摩書房(2023/05発売)
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  • ISBN:9784480511645

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内容説明

ヴィクトリア女王、エリザベス2世、そしてチャールズ3世まで、イギリスの歴代君主に仕えた君主秘書官たち。多くは君主の青年時代からの側近であった彼らは、国内外の様々な問題を君主に報告し、時に助言も行い、有事に際しては公正中立な立場から君主と政権をつなぐ重要な架け橋でもあった。本書では、彼らが登場した歴史的経緯を踏まえつつ、手紙や日記などの史料を交えて秘書官と君主との物語を描く。貴族政治から大衆民主政治への転換、二度の大戦、王室のスキャンダル……。激動の時代を経てなぜ今も君主制が存続するか。その謎に迫るユニークなイギリス近現代政治史。

目次

はじめに/序章 秘書官の登場/二一世紀における王室の意義/秘書官とは何か/イギリスにおける秘書官の登場/新たなる国王秘書官の登場/摂政皇太子の誤算と秘書官の消滅/老国王の登場と秘書官の復活/第一章 女王秘書官職の確立と定着/女王の即位と秘書官の消滅/秘書官を押しつけられた王配殿下/自ら選んだ秘書官/さらなる秘書官の任命/政党政治の混迷と秘書官の役割/アルバートの死と秘書官の処遇/パーマストンとグレイの衝突/フィップスの死と新たなる挑戦/ラッセルとの論争/女王秘書官の誕生/政権交代と秘書官の役割/秘書官職の確立とグレイの死/ポンソンビの着任と秘書官職の定着/女王の勇み足とポンソンビによる軌道修正/二大政党間の調整と女王の矯正/秘書官職の定着とポンソンビの死/第二章 二大政党のはざまで/新国王バーティの登場/真っ二つに分かれる評価/由緒ある家系/皇太子バーティの苦悩/病からの恢復とインドへの道/ディズレーリとグラッドストンのはざまで/「独裁者」ノウルズの誕生/国王からのご褒美/バルフォアとの因縁の始まり/英仏協商をめぐるさらなる対立/カーズン問題とさらなる不信感/政権交代と国王の歓喜/キャンベル バナマンの辞任とノウルズの裁量/アスキス政権と国王との乖離/人民予算と国制危機/議会法危機と国王の死/秘書官失格? ノウルズの功罪/秘書官からの引退と古き良き時代の終焉/第三章 大衆政治に立脚する君主制/共同の秘書官から単独の秘書官へ/ヴィクトリア女王との出会い/秘書官補から秘書官へ/皇太子の秘書官へ/国王秘書官へ/大戦の勃発と宮廷生活の変化/ウィンザー王朝の名付け親/チャーチル海相との確執/ロイド ジョージの挑戦/大戦の終結と王権の衰弱/長老政治家と国王秘書官/労働党政権の誕生と憲政の常道/立憲君主制の安泰とスタムファーダムの死/第四章 立憲君主制の光と影/国父ジョージと一九三一年内閣危機/シルバー・ジュビリーの陰で/魅惑の王子と秘書官トマス/情緒不安定な皇太子とトマスの懸念/最初に愛想を尽かした男/新国王の即位と側近たちの離反/第二の離反/運命の選択/華麗なる閨閥/ジョージ五世の秘書官補に/ウォリス問題の深刻化/運命の日/王冠を賭けた恋/前国王と国王秘書官との仁義なき戦い/ウィンザー公夫妻の行く末/新国王と秘書官との確執/ハーディング秘書官の評価/第五章 エリザベス二世の半世紀と秘書官たち/大戦の終結と新たなる時代の幕開け/王位継承者としての教育/チャータリスとの長い付き合いの始まり/首相選定の難しさ/物議を醸したマクミラン後継/ひとつの時代の終わり/再びチャータリスに/シルバー・ジュビリーと老臣の引退/フェローズの登場と王室の転機/ダイアナ事件とフェローズの働き/ジャンヴリンと二一世紀の王室/終章 秘書官と二一世紀の君主制/女王陛下の一日/伝統儀礼の中枢として/国制の中枢として/世界の中の女王陛下/女王秘書官事務局の仕事/女王秘書官のお給料は?/「ジョージ七世」の挑戦/最初の秘書官/不遇の一〇年間/ピート秘書官とのプロパガンダ作戦/皇太子を支える影法師たち/二一世紀の皇室と宮内庁の役割/昭和天皇の影法師/皇室の未来と影法師の存在/おわりに/ちくま学芸文庫版へのあとがき/解説 イギリス近代・現代君主制研究の開拓者(伊藤之雄)/主要参考史料・文献一覧/イギリス歴代君主秘書官一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

若黎

4
この著者の本はいくつか読ませていただいたが、これがもっともしっくりきた気がする。2023/05/21

カレル

2
イギリス王に仕えた秘書官を主軸に近現代イギリスを概説する。扱う年代とそれに伴う登場人物が多大であるにも関わず、読みやすく簡潔なのは著者の力量か。また文庫化にあたって近年の王室事情も増補されている。個人的には巻末の伊藤之雄氏による日英君主比較論が白眉だと思った。2024/04/13

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