内容説明
日本最強の集票マシン――。全国郵便局長会(全特)はそんなふうに呼ばれる。組織代表を国会に送り込む他の業界団体と比べれば、集票能力の高さはピカ一だ。強さの秘密はどこにあるのか。朝日新聞経済部の記者が、「郵政破綻」に突き進む巨大グループの本性を徹底検証。これまでベールに包まれてきた活動実態を内部資料や証言をもとに明らかにし、組織運営と会社経営の矛盾や限界も示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
30
駆け足で読まざるを得なかったのが残念。郵便局がこの世に数ある集票マシーン組織のひとつとして、裏表のスケジュールを駆使して活動していたことを知る。郵便局の土地をめぐる話は、目からウロコ。風景の見方が変わる。2023/06/06
kuroma831
10
郵便局長の社外任意団体である全特についてのルポ。国内最大級の集票組織でもある全特が目的を見失い、組織疲弊を起こしながら迷走する姿が描かれる。サービスは低下し、不祥事は起きまくる印象の昨今の郵政だが、組織改革が進まない大きな要因が全特である。任意団体なのに会社の人事権に介入し、民営化後も社外から来た経営陣は局長会に配慮しないと何もできない。こうした利権構造を止めるための民営化だったのに、中途半端に国営と民営化の悪いところを混ぜたような現状になっている。経営悪化が進む中で帰る気のない経営陣にもげんなりする。2024/01/26
Hiroo Shimoda
6
郵便局長がここまで時間を割いて選挙活動をしていることがまず驚き。既得権のためと思いきや、もはや何のためかも怪しくなっており、現状維持バイアスとごく一部の人の権力のためという印象2023/11/19
onepei
2
ひたすらあきれてしまった。2023/06/22
Akio Kudo
1
★★★★★ 余りにも濃厚な取材に驚く。ブラック企業大賞の郵便局にこんな集票マシーンの役割があり、その内実が全く時代錯誤でブラックすぎることに驚く。人口減なのに減らない郵便局の数。経営が苦しくなれば国民に負担を被せる。まさに救いようがない2023/11/17