講談社文庫<br> 星に仄めかされて

個数:1
紙書籍版価格
¥858
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社文庫
星に仄めかされて

  • 著者名:多和田葉子【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 講談社(2023/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065318003

ファイル: /

内容説明

世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!

失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?

【本書の登場人物たち】

Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。
クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。
アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。
ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。
ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。
Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

文庫解説 岩川ありさ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

niisun

26
3部作1作目『地球にちりばめられて』では多言語飛び交う会話劇を楽しめましたが、2作目の本作は少し趣が異なりました。会話劇ではありましが、言語の話は薄まり、登場人物たちのアイデンティティに焦点が当てられているように感じました。新たに登場したムンンとヴィタは、病院の地下で何らかの支援を得て住み込みで働く存在。ピュアで不可侵な存在として描かれている。ヴィタはヴィータ(生命、人生)、ムンンはムーン(月、優しさ)の象徴だろうか。彼らこそが、世俗にまみれた登場人物たちに進むべき道を示す水先案内人の様に感じられた。2023/09/27

プロミネンス

18
言語をめぐる三部作の第二弾。1弾よりも面白かった。特に後半の心理戦は夢中でした。。そして相変わらず、絶妙なキャラクター性がとても心地良い。3弾はついに失われた国日本への旅。好みなので3部作とは言わずにずっと続いて欲しい。2024/01/25

真琴

11
同じ母語を持つ男性と出会ったものの、彼は失語症に陥っていた。治療のため入院した病院へ、仲間は様々な方法で国境を越え集結する。鋭利な悪意を持った言葉は、思考を操り掻き乱すこともできる。でも、それにより思考の奥底にある感情を引き出すきっかけにもなるが、そんな無意識に葬った記憶を表面化する必要はあるのか?作品の本質とはずれるけれど、そんなことが頭に浮かんだ。言葉にするという行為は意外に力を要するものかもしれない。分断を超え、彼らの旅はどこに行き着くのか?最終巻を早く読みたい。2024/01/08

kogyo_diamond

5
前作『地球にちりばめられて』をあくまで助走だとするとこれは助走短く地上を蹴って見事に高く跳躍した感じ。普段演劇を観る機会はほぼほぼないのであくまでイメージだが予想もしなかった舞台空間に引き込まれ、目の前で登場人物が熱演を繰り広げているといった印象を受けた。舞台的。多和田葉子流演出の"流儀"におもいを巡らすあまり、巻末の解説をすぐには読む気になれずにいる。乗組員が揃って大海原へ旅立ちのとき。"宇宙船地球号"と口にするのは安易でしょうか。ニールセン夫人の章をすっかり切り出し単独の物語として読んでる自分がいた。2023/12/16

秋はeuglena

2
読了2024/03/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21132103
  • ご注意事項