感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
27
科学者をまどわす魔法の数字,インパクト・ファクターの正体---誤用の悪影響と賢い使い方を考える。麻生 一枝先生の著書。研究者や科学者の評価がインパクト・ファクターだけで決まってしまうのは本末転倒で不公平。インパクト・ファクター誤用の悪影響は大きい。インパクト・ファクターが誤用されることをはじめから計算してインパクト・ファクターを悪用する研究者や科学者は罪深い。研究者や科学者なら誇りとプライドを忘れないでほしい。インパクト・ファクター誤用の悪影響を心から心配している麻生 一枝先生の熱意が伝わってきます。2022/08/17
キリル
10
図書館員が雑誌を購入する際の参考指標として考案されたインパクト・ファクター(IF)がその本来の意図を超えて研究評価の指標としてどのように誤用され、研究者達に影響を与えているのかを解説した本。IFの問題点を具体的なデータに基づき指摘していて理解しやすかったです。やたら姉妹誌が多いそのカラクリも興味深いものでした。IFの操作法がこうもあるのかと悲しくなる半面、学術誌の生き残りへの必死さも垣間見えました。研究倫理にも触れられており、特に研究の再現性が危惧されるという状況を深刻に捉えるべきであると思いました。2021/07/31
takao
2
インパクト・ファクター重視が様々な不正を生む。再現性の危機。2021/09/09
渓流
1
科学者だけでなく、一般市民、科学ジャーナリズムを惑わす指標ですナ。唯一真なるものは物理化学に医学生理学の発見であって、社会科学を初めとする人文科学がいかに御託を述べようとそれをこじ付けとまではいわないが、万人を唸らせるものではない。それに客観性を持たせるべく数字の衣をまとわせようともそこには人間のエゴが顔を出す。科学論文の重要度をしめすこのインパクトファクターは言うまでもなく、大学の順位しかり、幸福度しかり、女性進出度しかり。数で表せば客観的というのは大いなる誤解。それを改めて指摘した本。2021/09/17
hayataka
0
インパクトファクター(IF)の定義・計算方法の問題点をあらゆる角度で分析している。そもそも表したいものを適切に表せていないし、出版社などによる操作もできてしまう指標である。そんな指標を科学の評価に使ってしまうことの弊害をよく理解できる。科学の真髄である再現性を揺るがし、信頼性を損ねるところまで来てしまった。欧米を中心にIF至上主義の根絶運動が始まっている。日本での議論や動向も知っていきたい。2023/01/02
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