光文社古典新訳文庫<br> 好色一代男

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光文社古典新訳文庫
好色一代男

  • ISBN:9784334754785

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内容説明

主人公の世之介は7歳で腰元をくどき、12歳で風呂屋女(湯女)と寝るような早熟ぶり。放蕩のすえ勘当され、地方を遍歴する。その後遺産を相続して大金持ちとなり、名高い遊女たちとの好色生活を続け、生涯で相手にした女は3742人に男725人。光源氏と並ぶ日本文学史上最大のプレイボーイの好色生活を描き、元禄期、作者・読者・流通の常識を覆した日本初のベストセラー小説。パロディに満ちた人情味あふれる傑作を快訳で贈る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うののささら

74
ひさびさに古典。京都大阪でおこった元禄文化。経済的余裕から町人の娯楽が生んだ井原西鶴。大商人の息子世之助の愛欲にまみれた一生を描く。在原業平をパロってるかな。流浪して各地の遊里で得体のしれない女を買い漁る。次々おこる色恋沙汰は内情を知れば知るほど女を嫌になる。源氏物語など文学作品を皮肉ったり当時の風俗を語ったり面白かった。さすが当時のベストセラー。徳川の世の中も綱吉の時代落ち着いてきて、既存の倫理道徳を壊す新しい文化が町人から生まれてきたのは面白い。2023/07/05

巨峰

49
これが井原西鶴か。実際に一番エロかったのは巻一あたり。この頃は世之介は少年期で、欲望が先に来ている(特に陰間からみのところがエロい)しかし、巻が進むにつれてセックス産業が江戸文化に抱合されている様子が良くわかる。もはや生身ではなく、しきたりなのだ。日本はなんでも「道」にしてしまうとよく言われるけれど、セックスも日本人にかかれば「色道」なのだ。遊ぶのはお金は必要だけど、それだけでは絶対にない。上手く遊べない人は嘲笑されるし、逆もまたしかり。それは、遊女側もまたしかり。遊ぶのもプロ、遊ばせるのもプロ。2024/10/11

優希

49
早熟ぶりを見せたかと思えば遊女たちとの好色生活。女性に溺れきっている、それだけの生活を描いているのに何故か面白かったです。江戸時代の文学は洒落本が多いからでしょうか。2023/11/30

けぴ

38
光文社の古典新訳というとシェークスピアやドフトエスキーなど西洋の作品を思い浮かべますが、まさかの日本の古典!吉田修一さんの横道世之介シリーズが好きなので、元ネタとなる?本作を読んでみる。長編というより5-6ページ程度の好色小話が連なる作品。まとまった時間に一気に読んでストーリーを追うというより隙間時間に読むのがオススメ。新訳ながら時代背景が異なるので理解が難しいところもあるが一度は読んでみて損はない。 2024/12/27

春ドーナツ

15
浅学なので(短い前置き)、先日読んだリチャード・パワーズみたいな博覧強記な書きぶりに面食らう。一頁丸ごと傍注のみ、というのが数か所あったけれど、そんなの初めて見た。訳者の熱意が感じられる。さらに、ここ十年間で一番充実した訳者あとがきだったな、と振り返りながら魂消る。ナボコフの「エヴゲーニイ・オネーギン」みたい(たぶん翻訳はされていないと思う。だから単なる比喩です)。冒頭の面食らいの背景を全方位的に知ることができた。なんかねえ、枕草子を読んでいるみたいだった。小説というか、随筆みたいな。「みたい」多いな。2023/05/20

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