内容説明
真夜中、クローゼットから這い出たおんなが耳元で囁く
「――見た?」
人気怪談師・牛抱せん夏による、体験者の実在する恐ろしい怪奇譚100話
現代怪談から古典怪談まで、怪談師として語りで活躍している牛抱せん夏の新シリーズ。
・キャンプ先で出会った家族は…「ソロキャンプ」
・心霊スポットで出会った異形「鎮座」
・恐山の夜の異変「入ってきたバス」
・著者が体験した怪異「運転免許」
・その家で便所が外にある理由「外便所」
・勤務のために泊まった部屋、開けないでと言われていたけれど…「押し入れ」
・姉の家に泊まりに行くと息子が“こわい”と夜中に泣き出し…「冥途の花嫁」
――など一年余りの歳月をかけ様々な方にインタビューをしてまとめ上げたヒヤリ、ゾクリとする100話+語り8話の怪談を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨
27
読みやすかった。本編だけでなく幕はじめの怪談もしっかり怖くて良かった。2023/05/15
かおりんご
25
ホラー。さらさらーっと読む。100話以上収められているので、1人百物語ができる。そこまで怖さを感じなかった。2023/06/05
うさっち
21
亡くなる前に知らせに来てくれる系が多かった気がする。私は怖がりなのでいくら親しくても来てほしくないです。印象的だったのは「ステージ」昭和の演歌歌手が誰なのか気になって調べてしまった。「指切りげんまん」生きてる人間と怪異のダブルで怖かった。2023/06/21
高宮朱雀
13
不穏なタイトルの表題作は先日読んだ書籍と同じ冥婚を扱った内容で、虚構か事実かは別にしても妙な縁を感じた。 全体を8つのコンテンツに分け、幕始めの語りを加えて108話。恐怖に縛られた内容だけでなく、優しく温かい話もあり、程良く緊迫感も解ける一冊。 書き手の作家だけでなく、作品の元となる話をした情報提供者に障りが及ばぬよう切に、切に祈る。2023/05/29
qoop
5
前書きを素直に読むと、本書所収の怪談はここ一年の間に聞き書きした話ばかりということだろうか。一定以上のアベレージで百話プラスαを一年で集めると考えたら、実話怪談作家の日常というのは凄まじいものだと改めて考えさせられる。語りのリズムを活かしながら巧みに文章化している点も含め、著者には今後も注目すべきと思わされる一冊だった。2023/05/10