内容説明
ご当地怪談の真骨頂
横浜の地には多くの霊が眠っている!
飛び降りを誘発する南区の魔の崖
鶴見区の三輪車に乗った首なし少女
保土ヶ谷区で通夜に届いた謎の骨
通行人を引き込む西区の魔の池
亀が祟った池 中区長者町
日本のあらゆる文化の発展の地となった横浜。その繁栄と成功の陰には多くの衰退と死があり、想像もしないほどの多くの霊が眠っている!
『川崎怪談』に続き、土地の過去から現在につながる怪異を鶴見区在住の作家・黒史郎が丹念に炙り出す。
・供養塔そばのトンネルで遭った恐怖「トンネルの女」(鶴見区)
・漁師が遭遇したのは…「幽霊船」(横浜港沖)
・タトゥーを入れに行った店で見たモノ「白い背中」(中華街)
・屈指の“出る”場所である池にまつわる怪異譚「三つの池の女たち」(神奈川区)
――など、土地にしみ込む因縁の記録と痕跡を辿る恐怖の横浜暗黒ガイド!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
confusion_regret_temptation
28
ただの怪談(のような話)の羅列だけど、それがまた伝承のリアルさも伝えてくれるような。よくもこれだけ集めてくださいました。が、横浜にゆかりのある方でないとあまり楽しめないでしょうね。ほぼ半世紀近く横浜市民で鶴見区育ちの自分には結構興味深い本でした。2024/04/10
雨
28
横浜ご当地怪談。現代より昔の話が多かった。私としては現代の怪談が読みたかったな。2023/05/13
高宮朱雀
20
私が子供の頃、父が単身赴任で生麦寮という所に居た。父の職場は大手の建築会社で、そういう業種だったからか、元々そういう系統に強く、敏感だった為か、ずっと「あそこは土地が良くないから注意しないと…」と言っていた。 綺麗な花には毒があると言われるように、都市にもそれは当て嵌まるのかも知れない。長い時間を掛けて現在の街並へと移り変わっているのだから、誰かの涙も血も、醜い感情や欲得さえも充分過ぎるくらい吸い上げているだろうし、それはこれからも続く暗黙の営みではないか? 怪談と同時に地元の歴史を知られて満足な一冊。2023/06/15
佐倉
20
横浜という土地に刻まれた怪異を掘り起こすようなエピソードが多め。川崎ほどじゃないが近場ではあるので聞いていて「あのあたりが!」となる話が多い。横浜での怪奇スポット巡りの資料にも良いかもしれない。しかしそうした怪談は現代的な感覚の恐怖ではなく、歴史的に興味を覚える、という雰囲気の方が強い。終盤 、著者自身の体験に端を発する『ミミズ』から『ソーダ村』までの作品は生々しさと歴史が入り交じる感じで怖かった。年上の神奈川県民の話を聞くとこういう話があっても可笑しくないのが何とも……2023/05/09
澤水月
14
終盤、著者自身の経験、記憶の澱から救い出された恐ろしい幼児体験。クダギツネ…ただならない尋常でなさ。鶴瓶うち2023/05/07
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