内容説明
あなたも一歩、踏み出す勇気を。
震災を契機に自衛官を夢見た少女は、入隊後、絶望を味わった。訓練中の性暴力を報告するも自衛隊は黙殺。そして彼女は実名・顔出しでメディアに訴えることを決意したが……日本中に勇気を与えた五ノ井里奈の物語。
「(わたしが)声をあげて」と「(あなたも声をあげて」という2通りの意味をタイトルに込めました。読み終わったあとに一歩踏み出す勇気を感じてもらえたら嬉しいです――五ノ井里奈
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
79
再読。「笑いをとるため」ってなんなんだ?!昨日福島地裁で「強制わいせつ罪」として評決された事案。まだ地裁。控訴の可能性があるし社会全体の空気感がそこまで成熟しているとも楽観できないけれど、声を挙げてくれた彼女には精一杯の労いと平穏な日常の訪れを祈りたい。志を持って入職した組織で人格に関わる「暴力」を受ける理不尽の重さを噛み締める読書だった。組織(共同体)内倫理でのハラスメント認定の軽重が組織外の刑法に照らした時にどれだけの乖離があるのかを知る事はその共同体の倫理観の歪みを浮き彫りにする。読んでください。2023/12/13
とよぽん
69
この本は何としても読まなければならないと思い、手にした。五ノ井さんが受けた性的暴行、セクハラ、パワハラ、自衛隊という巨大組織の体質腐敗、もう誰も信じられないという孤立感、誹謗中傷・・・。「声をあげて」のタイトル通り、被害者が声をあげなければ同じようなことが永遠に続く。自衛官募集の公告をしばしば目にするが、辞めていく人が多いからか。本来の業務目的を遂げられない職場になっていることが、巻末のアンケート記述からよくわかる。防衛費増額の前に、自衛官の人権を真剣に考えろと言いたい。五ノ井さんの闘いを応援したい。2023/09/02
sayuri
59
加害者の先輩自衛隊員の態度に腸が煮えくり返り、五ノ井さんの頑張りに泣けてしょうがなかった。1999年宮城県で生まれ2011の震災で被災。その時出逢った女性自衛官に憧れ、志高く入隊するも彼女を待っていたのはセクハラを超える性暴力だった。仮にも国や人の為に身を挺して働く自衛隊員が、階級や年齢、立場を利用して、仲間である女性隊員に日常的に性暴力を繰り返すなど卑劣極まりない。実名・顔出しで声をあげた彼女に向かうSNSの誹謗中傷も許し難い。今月12日は刑事裁判の判決日。五ノ井さんの思いが報われる事を願ってやまない。2023/12/09
あや
35
自衛隊で性暴力に遭い隠蔽され辞めざるを得なかった五ノ井さんの手記。ひとりの誠実な女性の夢や希望がズタズタにされ、被害者がどうしてこんなにも苦しまなければならないのかと思うし、直接謝罪の詳細や、誹謗中傷や殺害予告などの二次被害も想像以上に酷い。にもかかわらず加害者たちの家族に配慮する五ノ井さんのなんとお優しいことか。巻末の自衛隊員の被害アンケートはおぞましくて読めなかった。2024/01/23
空のかなた
35
防衛省・自衛隊のコンプライアンス意識の薄さや根強い上意下達の風土。五ノ井さんの告発を機に有識者会議が開催されている今、読んでおきたいと思った。五ノ井さんへのセクハラは「性暴力」のレベルであるというコメントに賛同。一旦は五ノ井さんに謝罪したにも関わらず「無実」であると、証言を翻した自衛官の真意を問いたい。不起訴→検察審査会への提訴、しかし一般国民の良識を反映させるために設けられているはずの検察審査会なのに、裏切られる。証拠は?言った言わないでは起訴できない等、どちらの味方なのかと責めたく思った。2023/09/27
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