中公新書<br> 古代マヤ文明 栄華と衰亡の3000年

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中公新書
古代マヤ文明 栄華と衰亡の3000年

  • 著者名:鈴木真太郎【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 中央公論新社(2023/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121026231

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内容説明

かつて中米に栄えた古代マヤ。前一〇〇〇年頃に興り、一六世紀にスペインに征服された。密林に眠る大神殿、高度に発達した天文学や暦など、かつては神秘的なイメージが強かったが、最新の研究で「謎」の多くは明かされている。解読が進んだマヤ文字は王たちの事績を語り、出土した人骨は人びとの移動や食生活、戦争の実態まで浮き彫りにする。現地での調査に長年携わった著者が、新知見をもとに、その実像を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

61
中米に栄え、コンキスタドーレスによって果てたマヤ文明についての概説書である。研究史、考古学を大きく変えた骨考古学の誕生とマヤ文明研究。ユカタン半島を始めとする各都市国家の差異。食生活や戦争を取り上げている。かつて、マヤ文明は戦争のない文明と見られていたそうだが、研究の進展により、過去の言説と成り果てているそうな。女性の王や、戦士も居たと、発掘成果と碑文の解読によって明らかにされたそうな。しかし、王の名前が「島ジャガー4世」とか「投擲フクロウ」とは。センスの隔絶を、地理的距離と同時に感じさせた。2021/08/02

ころこ

44
我々が抱くマヤ文明への興味は、欧米が日本に抱くオリエンタリズムと相同の構造をしている。アカデミックなアプローチはその意識を相対化してくれるので一定の役割がある。とはいえ、本書は率直に言って面白くない。イメージ喚起力に乏しく、固有名が無ければ差異でしかないんじゃないかという印象を持つ。この面白くなさをどう考えるかは難しい。読者はマヤに対して何らかのイメージを持ち、そのイメージが無ければそもそもそれ以上知ろうとはしない。この実証と物語の相克は、科学的な方法が発展すれば消えると考えるのは早計だろう。2023/07/20

翔亀

43
【始原へ46】<マヤ7>こちらも2020年と最新刊。著者は、嘉幡茂と同様にメキシコの大学で学び教えてきた、日本のマヤ研究者の第二世代。ここに至るともうマヤ文明には神秘のひとかけらもないし、第一世代の青山のようにマヤを神秘から引き戻そうと肩肘も張らない。ただ考古学の対象として新たな事実を求め続けるのだ。それにしてもマヤものを読み続けてきたが、このマヤの遺跡の数は膨大だな。初めて聞く遺跡の名が続々出てくる。世界の中でも現在最も発掘ラッシュの地域と言っていいのかもしれない。だから出版ラッシュでもある。↓2021/08/22

翠埜もぐら

23
長く現地で発掘に携わった方の、ほぼ最新に近いデータに基づいた本。特にバイオアーキオロジーと言う、骨から社会情勢や環境・人間の移動などを考察する最新技術の話が面白かったです。解読の進むマヤ文字と発掘された人骨がより詳しい歴史を構築し、ここ20年でメソアメリカの古代史ってとんでもなく変わってきたのが楽しいわ。それにしても現代人から見ると歯を削ったり象嵌を入れたり、頭を変形したりするにも流行り廃りがあったと言うことと、おそらくそれらの装飾にも信仰や宗教が深くかかわっていたことが、感覚的にちょっとショックでした。2023/07/08

サケ太

21
マヤ文明。歴史なんてそもそもふわっとしか知らないのにマヤ文明なんて実態さえあやふや。どこまでわかっているものなのだろうと読んでみたが、やはり昨今の技術力の向上は考古学に多大な影響を与えることを再確認。その手技や思考から、マヤ文明という区分の中で生きていた人々の生活や文化について説明される。やはりその中にも様々な人間が生きており、戦国が形成されていたとは。戦場で死んだ人々。わからない事は多いものの、思った以上にわかっていることも多くなっている。少しでもその世界に触れられることが楽しい。2021/01/28

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