内容説明
私は“善人”か、それとも“悪人”か。
「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。
そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。
「バカなことはするな」。教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。
しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。
語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
238
「私が先生を殺した」という書名のまさかの8文字の言葉の裏に隠された”ミステリー”がたっぷりと描かれたこの作品。そこには、「殺した夫が帰ってきました」の桜井美奈さんらしく、インパクトある書名が全編にわたって雰囲気感を終始リードする物語が描かれていました。”学園物語”の雰囲気感たっぷりに描かれるこの作品。徐々に物語の全体像が見えてくる”ミステリー”の面白さを楽しめるこの作品。“私は’善人’か。’悪人’か。”という本の帯の言葉が物語の奥行きを演出もする、桜井美奈さんの上手さが光る”学園ミステリー”な物語でした。2025/04/06
ほんた
151
一体,誰が誰を殺めたのか,一気に引き込まれました。 なるほど,そういうことだったのか。。。と最後は何か切なさを感じました。完全に先入観に入り込んでいました。 https://hontablog.com/私が先生を殺した2023/12/09
イアン
142
★★★★★★★☆☆☆『殺した夫が帰ってきました』に続くタイトルが印象的な桜井美奈の長編。全校生徒の目の前で若手教師・奥澤が転落死する。失意に沈む生徒らが教室に戻ると、そこには「私が先生を殺した」の文字が残されていた――。奥澤の転落は自殺ではなかったのか。誰が黒板に意味深な文字を記したのか。人望の厚かった青年教師が何者かに醜態を晒され、文字どおり転落していく過程を4人の生徒の視点から描いた群像劇。インパクトを重視するあまり行動原理に整合性を欠く人物もいるが、総じて面白かった。奥澤のネクタイを一度見てみたい。2025/04/09
fwhd8325
141
語り手を変えながら物語が進んでいく。次第に物語の全貌が見えてくる。ミステリーとしても面白いと思いますが、一種の青春物語としても楽しめると思います。エピローグ、もう少しじっくり描いて欲しいように感じました。2023/12/18
のりすけ
119
イケメソで理解のある先生が屋上から転落死。黒板に書かれていた「私が先生を殺した」の文字。個々の生徒の心情と真相を視点を変えて積み上げていく手法が面白く、同じことでも人によって感じ方、捉え方が違ったり。まぁそうやろうなという結末ではあったけれど、面白くて一気読み。2025/01/24
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