小学館文庫<br> こんぱるいろ、彼方

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小学館文庫
こんぱるいろ、彼方

  • 著者名:椰月美智子【著】
  • 価格 ¥869(本体¥790)
  • 小学館(2023/05発売)
  • 蝉しぐれそそぐ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/3)
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  • ISBN:9784094072525

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内容説明

戦争と難民──今を生きる私たちの物語。

近所のスーパーの総菜売り場で働く真依子は、サラリーマンの夫、大学生の奈月、高校生の賢人の四人家族だ。職場でのいじめに腹を立てたり、思春期の息子・賢人に手を焼いたりしながら、日々を慌ただしく過ごしている。奈月が、夏休みに友人と海外旅行へ行くと言い出した。真依子は、奈月の代わりにパスポート申請に必要な書類を取りに行った。戸籍謄本と戸籍抄本、二つの書類をもらうと、戸籍謄本の真依子の出生地の欄には、カタカナの国と市が書かれていた。子どもたちには伝えていない。奈月には戸籍抄本を渡した。パスポートを手にした奈月に行き先を尋ねると、「ベトナム」と答えが返ってきた。友人たちと旅の準備を進める中で、奈月は真依子から戸籍謄本を見せられる。
「わたしね、ベトナム人なの」
「わたしたちね、ボートピープルだったの」
奈月は自分のルーツを受け入れ、ベトナムに向かった──。家族小説の気鋭が、世界を広げて挑む新境地!

※この作品は単行本版『こんぱるいろ、彼方』として配信されていた作品の文庫本版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Karl Heintz Schneider

26
「実は私はベトナム人のハーフなの」ある日突然、母からそう打ち明けられた大学生の菜月。母の出生の秘密を探るべくベトナムへと旅立つことに。母親はなぜ娘が20歳になるまでそのことを隠していたのか。この美しい表紙絵とタイトルに惹かれて読んだが意外と重いテーマだった。ベトナム戦争の暗い影があちこちに。菜月はその真相に真っ向から挑む。「ベトナム人だろうが日本人だろうがどっちでもいいじゃない。私は私なんだから。」そのことに気づけたことが一番の収穫であり著者が一番言いたかったことではないだろうか。2023/08/08

Y.yamabuki

24
祖母の春恵は、幼い麻依子を連れてベトナムからやって来たボートピープル。麻依子は、娘の奈月に自身のルーツを話していなかったが、偶然娘が友人とベトナム旅行へ行くことになって…。三人の視点で話は進む。語られる春恵の過去は、凄絶なものだったに違いないが、家族愛を中心にした温かく爽やかな物語になっている。柔らかな筆致ではあるが、語られている内容は奥が深い。奈月がベトナムで感じたこと“それぞれの正義”が印象的。日本へ来てからの春恵の話、麻依子の夫等他の家族の話も読んでみたい。奈月の彼氏御蔵君にもまた会いたい。 2023/09/12

ミワ

24
ベトナムの事を知らなさすぎだっだ。「ベトナム料理美味しいな。雑貨かわいいな。」程の事しか思っていなかった。(ボートピープル)の事すら知らない自分の無知さ😓。 この本を読めて、少しかもだけどベトナムの事を知る事が出来て良かったです。2023/08/27

shi-

17
とてもいいお話だった。読み終えるのが残念なくらい。 自分のルーツを知ろうと、その国の情報をかき集める奈月と、自分は自分でしかないと言い切る美咲、どちらの生き方も素敵だ。 ベトナムという国に、並々ならぬ興味を持った単純な私。 でも、読書って、これだから素晴らしいだよなぁ。 2023/06/28

みずかのお

10
読んで良かった。他の作品も読んでみよう。2025/04/28

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