内容説明
皆から注目を浴びる双子の姉・美羽に比べ、出来の悪い自分に嫌気が差す高2の優羽。胸が張り裂けそうな毎日だけど周りには平気なふりをして、自分は美羽の「劣化コピー」だと自分のことを苦しめていた。そんなある日、公園で絵を描いていたらクラスの土元君に会うも彼はいつもと様子が違って・・・!? 次の日また彼と会うとまったく覚えておらず、実はある秘密を抱えていることを知る。彼の「自分のままでいい」という言葉で優羽の考え方が少しずつ変わっていき――。まさかのラストに涙する、青春恋愛物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なみ
22
なんでもできる双子の姉に対して劣等感を抱く優羽は、人気のクラスメイトの朔也の秘密を知り、距離を縮めていく。 優羽のネガティブな考え方にめちゃくちゃ共感しました。うなずきすぎて首もげそうです。 朔也との交流で、少しずつ変わっていく優羽の等身大の成長が素敵でした。 最初の方は少し怖いイメージでしたが、読み進めると、他人思いだとわかる俊矢が最高でした。 そしてエピローグのタイトル、天才でしょ……。2023/04/29
ゆ〜た◢◣
11
★★★★★ 文武両道で皆から注目される双子の姉と比べ続けられる人生を送ってきた妹の優羽。そんな彼女と彼を結んだのは”絵”。優羽は1人の人として1枚の絵を描き切ることができるのか─── とにかく自身を姉の劣化コピーといい序盤からかなり落としてきます。彼にもとある秘密がありそれが優羽と共感できる部分が多く、この設定上手い!“3人が“不安や悩み楽しさを共有し自身の問題を乗り越えていく過程がこの作品ならではの良さがあって良かったです! 2023/05/03
栗山いなり
7
出来のいい姉へのコンプレックスを抱える少女と二重人格を抱える少年の恋と成長を描いた物語。オーソドックスな青春小説だったけどこれはこれで悪くない。最後はビターエンド寄りのハッピーエンドだった2023/05/29
Nori
2
父親からの苛烈な教育により二重人格になった少年と出来のよい双子の姉との関係に悩む少女の恋物語。主人格なのに消えると宣言されてしまった少年と少女の結末とは…2024/04/26
HASE, Moto
2
優秀な双子の姉と比較しては卑屈になってしまう優羽は、初秋のある日、放課後の公園で絵を描いていると、クラスメイトの土元君と偶然会った。しかし彼の様子がいつもと違う。翌日、同じ公園でまた土元君と会ったのだが……。 優羽と朔也、それぞれの意味合いで使う「劣化コピー」という言葉がつらい。あとがきにもあるように、誰しも抱えることのある悩みだと思う。 互いの事情を打ち明け合ったところから、だんだんと視野が明るく開けていくような物語がとても優しく、切ないけれど清々しいラストもとてもよかった!2023/06/05