内容説明
《オレ流》でトップ・レフトを追った6年。
ユーロ市場の激闘を元バンカーの著者が白日の下に晒す、
自伝ノンフィクション
ロンドンに赴任したのは、冬から春に変わる季節だった。
風は爽やかで冷たく、故郷の北海道の北空知によく似ていて、しっくりきた。
街路樹はプラタナスが多く、煉瓦や石造りの建物が歴史を感じさせた。
わたしは国際金融業務の経験のない30歳の若者だった。
あるのは、夢と希望と野心とエネルギーだけだった。(本文より)
大学時代はランナーとして箱根駅伝に2度出場、卒業後はバンカーを経て作家に。
国際金融市場での経験をいかした圧巻のリアリティで惹きつける、経済小説の名手が、『冬の喝采』以降の人生を綴る。
初めて明かされる、作家・黒木亮の《前史》では、
仕事や旅行で訪れた世界各国の風景や食のシーンも、読みどころのひとつ。
<目次より>
第一章 マイワード・イズ・マイボンド
第二章 航空機ファイナンスにしびれる
第三章 アフリカの夜明け
第四章 メイク・アンバンカブルズ・バンカブル
第五章 中東のサソリ
第六章 二重マンデート
第七章 爆破テロ事件
第八章 エマージング・マーケッツ
第九章 米銀との激突
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
179
黒木 亮は、新作中心に読んでいる作家です。著者の自伝的ノンフィクション、ロンドン・シティ青春篇でした。こうした貴重な経験が著作に生かされているんでしょうね。https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-781732-42023/06/07
KAZOO
89
黒木さん(本名は金山さん)のご自分が旧三和銀行のロンドン支店時代にいたときのことを書かれたドキュメンタリーノンフィクションだという気がしました。国際金融の主に中東・アフリカ向けのソブリンローンなどを手掛けていた頃の話で、その後の作品にだいぶん取り入れられている感じでした。この分野に興味がない人には若干わかりずらいことがあるかもしれません。ただ黒木さんの作品は最後の用語集があり参考になります。シンジケートローンなどで活躍したことが克明に書かれていて楽しめました。2023/08/11
まーくん
86
黒木さんの著書はこれまで何点か読んできたが、エッセー集『世界をこの目』でその経歴を知った。旧)三和銀行入行、31歳から同行のロンドン支店に6年間勤務した後、ロンドンで証券会社、総合商社勤務を経て43歳で作家デビュー。本書はその銀行支店時代の回想録。婦人用自転車に乗っての外回りから、国際金融の実務もわからずロンドンに赴任し、中近東アフリカ担当として次々と国際協調融資の案件をまとめ上げてゆく話は、専門用語は門外漢には少々難しいが全力を尽くし結果を出す姿は痛快。銀行や個人も実名。当時の邦銀名、今は一つもない。⇒2023/10/04
よしたけ
52
黒木氏の小説家転身前の銀行員時代を振り返るノンフィクション。同氏作品では漏れなく国際金融世界を存分に体験できるが、本書は実体験であり臨場感が増している。各案件エピソードでも、担当者名から契約交渉まで仔細で、同志の記憶/記録力に脱帽。国際金融マンとしての矜持や案件捌き方なども存分に書かれており(銀行団を組成する際は国や地域に偏らず様々な有力銀行がバランスよく入っているのが美しい等)、国際金融マンの教科書に推せる内容。各国の情景も目に浮かぶ。私も以前は同業務に従事しており、辞する迄に本書籍に出会いたかった。2023/10/19
kawa
44
日本のバブル崩壊のころ、三和銀行ロンドンの国際金融拠点で、中東やアフリカ向けのシンジケート・ローン・ビジネス等に従事した著者による興味深いノンフィクション。横文字たっぷりの専門用語で意味が取れないところも有りだが、全く知らないビジネス世界が垣間見られることが楽しい。それにしても、当時の都市銀行、自転車を駆ってのどぶ板営業からいきなりの最先端の国際金融ビジネス現場へ、ビジネス・エリートと称されていた銀行マンの中に存在する無責任・無能力で品のないへたれ社員、その落差が人間的でフィクションを超える面白さだ。2023/10/06
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