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内容説明
「私が、一番最初にひっかかったのは、平安時代の『大鏡』に出てくる犬の声です。「ひよ」って書いてある。頭注にも、「犬の声か」と記してあるだけなんです。私たちは、犬の声は「わん」だとばかり思っていますから、「ひよ」と書かれていても、にわかには信じられない。(中略)これが、私が擬音語・擬態語に興味をもったきっかけでした。」日本語の「名脇役」の歴史と謎に、研究の第一人者が迫る。ロングセラーが待望の文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
64
興味深いです。名著の文庫化。 江戸時代までは日本人は犬の鳴き声を”びよ”と認識してたんですね。 その理由の一つ、著者の推測に少々驚きましたがネタばれになるので書かないw2023/09/09
あんさん
16
日本語の豊かさを大いに感じました。また、昔の人は、自然との触れ合い、季節の移り変わりなどを大切にしてきたんだなあと思いました。タイトルの犬の鳴き声「びよ」は、どうやら遠吠えなどの際の鳴き声を写したものらしいとのこと。そういえば、最近は犬が遠吠えする声も聞かないし、秋の虫の声などとはすっかり縁遠くなって、現代の都会の便利さの反面で、こうした部分の豊かさは失ったのかな、と感じました。2023/06/29
ともブン
13
最高の素材があったならあれこれと飾り立て味付けする文化とは一線を画す和の文化。突き詰めるとは極限まで削ぎ落とすことなのかな、水墨画や食文化に表れているように思う。そして短歌。豊かな情景や季節をぎりぎりまで削った語句の中に閉じ込める。そのなかに現れる動物たちの声。この本の終わりの方では同じ動物でも嬉しい時、悲しい時に聞こえる声と情景によってさえ聞き分け言葉を作ってきたのだとある。言葉の移り変わりはあれど、今も昔もオノマトペは生き生きと日本語を彩っている。ご著者の熱意やワクワク感がありありと伝わってきた。2024/02/26
みやび
13
なにより著者が楽しそうなのが良いです。日本人は昔から駄洒落(掛詞)が好きなことも面白かったです。第二部の「動物の声の不思議」も興味深くて、犬の鳴き声が江戸中期までは「びよ」「びょう」、以後「わん」へ変化するのは、野犬から飼い慣らされる環境の変化ではないか、から、猫にネズミにモモンガ(!)に、様々な生き物の鳴き声表現や、オノマトペ出身の日本語たちを知ることができました。2023/12/09
あきづき たくみ
2
英語の擬音語・擬態語は350種であるところ、日本語には1200種もあるらしい。とくに『今昔物語集』には擬音語・擬態語が効果的に利用されているとのことなので、また改めて読んでみたい。面白かったのは、表記の「ん」が発達したのは鎌倉時代以後で、それまでは「う」と書いていたということ。あと、犬は野犬から飼犬にと人との関わりが変化したことで、鳴き声も「びよ」から「わん」に変わっていった、ということ。(カバー画像:円山応挙筆「狗子図」)2024/11/23
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